愛子さま、ご視察「また佐賀にうかがえる機会あれば」 赤十字訪問や和紙作り体験 ご来県2日目
佐賀国スポなどの視察で佐賀県を訪れている天皇皇后両陛下の長女愛子さまは12日、佐賀市大和町の「名尾手すき和紙」で和紙作りを体験された。初めての作業に戸惑いながらも、職人の技術や説明に「奥深いですね」と興味深く耳を傾けられた。 工房に入って和紙の原料や作り方などの説明を受けると、愛子さまはアームカバーをして素手で桁(けた)と呼ばれる道具を握った。「できてますか?」「難しい。奥深いですね」と笑顔で話しながらリズム良く桁を揺らし、2枚の和紙を製作。工房が3年前に大雨で被災したことにも触れ「大変だったんですか」と言葉をかけられた。製品もじっくりと見て回り「和紙の新たな可能性を感じました」と満足そうに話された。谷口弦取締役は「手すきがお上手で、本当に初めてなのかと驚いた」と振り返った。 佐賀市の県赤十字血液センターも訪れ、官民連携の災害支援について説明を受け、献血を終えたばかりの学生ら4人と交流された。佐賀大3年の佐藤美月さんは「穏やかに接していただき話しやすかった。一生に一度の貴重な体験」と感激した。 SAGAアリーナでは国スポの柔道を観戦して楽しまれていた。愛子さまは「また佐賀に伺える機会があればうれしく思います」と述べ、2日間の日程を終えて帰京された。 佐賀空港で見送った山口祥義知事は「最初の単独地方公務が佐賀だったことに感謝の気持ちでいっぱい」と目を潤ませながら語った。(上田遊知)
上田遊知