2年前の大雨で今も不通区間が… 鳥海高太朗さんが見た「大井川鉄道」のいま
Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
2022年の大雨被害により2024年11月現在もおよそ半分の区間が運休となっている大井川鉄道。25日、その災害現場を鳥海高太朗さんが現地取材しました。 そこで見た大井川鉄道のリアルとは? (鳥海高太朗さん) 「こんにちは、お久しぶりです」 (大井川鉄道 山本豊福さん) 「一年ぶりですよね」 (鳥海さん) 「私1年前、トーマスにクリスマスイブの日に乗ったんですけど・・・」 「2023年の年末に新金谷駅から中継させていただき、その直前には、プライベートでもトーマス号に乗車した大井川鉄道。」 (鳥海さん) 「やっぱりまだ大雨の影響というのはあるんですか? (山本さん) 「そうなんすよ2022年9月の被災以来、もう2年2か月、川根温泉笹間渡から千頭駅の間、まだ鉄道が通っていない」 (鳥海さん)「まだ半分ぐらいが路線としては使えていない」 (山本さん)「全長39.5キロ、その内の19.5キロが通っていないので本当に半分なんです。 (鳥海さん)「きょうは普段は入れない場所に連れてってもらえるということなんですけど」 (山本さん)「不通になっている下泉駅から田野口駅の間、現状がどうなっているのか、ご案内しようかと思っています」 トーマス号やSLが人気で毎年、多くの観光客でにぎわう大井川鉄道ですが、2022年9月に発生した台風15号の大雨被害により2024年11月現在も半分の区間が不通となっています。 全線復旧にかかる費用はおよそ22億円で、そのうち大井川鉄道の負担は8億円ですがコロナ禍以降、赤字が続いていて自力で費用を捻出することは難しいのが現状です 広報の山本さんに案内されてやってきたのは現在も不通となっている「下泉駅」です (山本さん)「駅舎は木造で風情がある、本来、鉄道が通っていれば、そこそこ利用者はある」 (鳥海さん)「2年2か月間は全く電車は走っていない」 (山本さん)「鉄道は通っていない」 (鳥海さん)「バス停がありますけどバスが代行している (山本さん)「代行の町営バス、下泉駅前ということでここで乗り降りしている」 (鳥海さん) 「関係者以外立ち入り禁止、下泉駅老朽化のため待合室への立ち入りを禁止しますということで、ここまではOKだけど、ここから先、中へは入れない」 今回は特別に許可を頂き、中を案内してもらいました。 (鳥海さん)「こっちの方はだいぶ生い茂っている感じですね」 (山本さん)「かなりですね、こちらは」「トーマスの看板も草に絡まれてしまって何とも悲しい」 (鳥海さん)「長期間止まっていることを物語るような・・」 (山本さん)「やはり2年経っている」 (鳥海さん) 「今回不通区間が20キロ弱ということで、20キロの区間を2年以上使えていないということは戻すときの代償も大きいですね」 (山本さん) 「何よりも復旧というのもありますし、ちゃんと機能するかどうかの点検、入念な点検が必要になるその手間がかなりかかってくると思う」 そして下泉駅から線路を歩き、トンネルを抜けておよそ1キロ。土砂が崩落した現場へ案内してもらいました。 (山本さん)「あそこの先、山の上から土砂がきて、多分ですけど大井川まで土砂がいってる」 (鳥海さん)「全く鉄道が走っていたとは感じないぐらいの状況」 (山本さん) 「もうちょっとこっちへ来ると大きな木の幹、それがもう2年前のままになっている。大型の重機が入れない」 (鳥海さん)「そうですね、トンネルを通らないと・・・道路もかなり上」 (山本さん)「こっちは大井川、川から重機は簡単には入れられない。直すにしてもかなりやっかいだと想像できます」 (鳥海さん) 「ひと駅の間にこういう場所が20か所以上あるということなんですね、4キロの区間に20か所あって本当に今、私も現場来ていますけど、重機が入るのは大変なんだろうなということと、これを掘り起こすだけでも相当な時間を要すると思います」 (山本さん) 「鉄道部分の復旧、あるいは施設の修繕については合計22億円強の費用とでている、ただそれはあくまで鉄道の範囲であって、山肌ですよね こちらの手立て(対策)は入っていない」 (鳥海さん) 「行政、主に静岡県ということになりますが、支援状況というのは今どんな感じで動いていますが」 (山本さん) 「3月にこの大鉄線の千頭駅までの早期の全線復帰を目指すという方向性は出ている、ただその後、費用の話や諸々の話で、話し合いを続けているんですけど、その辺が中々進んでいかない状況、まだ復旧の作業に着手してない状態」「僕前回、この場所に来たのが5月、あ~変わっていないなぁ本当に何とも言えない脱力するというか、あれから変わっていない、進んでいないと思うと何とも力が抜けてしまう」 広報の山本さんの言葉から進まない復旧に対するやるせない思いが伝わってきました。 (鳥海さん) 「観光コンテンツとしてここを生かしていくのか、それとも生かさないのか、方向性は出ているとは言え、具体的なお金の出しどころという課題は解決していかいないといけない、まずもったいないとこれを生かすべきだと、きょう現場を見た率直な感想です」