都立の有力校、シード・日大豊山に中盤まで善戦も終盤に力尽きる【24年夏・東東京大会】
<第106回全国高校野球選手権大会東東京大会:日大豊山 10―3 高島 (8回コールドゲーム)>19日◇4回戦◇明治神宮野球場 【一覧】東東京大会 ベスト16の顔ぶれ 春はベスト8に進出して、今大会の第3シードとなっている日大豊山。初戦の3回戦では、勢いのある都立の有力校・紅葉川を9対0と退けての進出だ。 都立高島は春の都大会進出は果たしたものの、1回戦で淑徳に敗れた。そこから再度チームを整備し直して挑んだこの夏、2回戦では戸山と序盤競り合ったが、3本の長打を放つなどして6対2で振り切った。3回戦ではエースの松本 健太朗投手(3年)が無四球で、目黒日大を4対0と完封しての勝利。勢いをつけての4回戦進出だ。 1~3回まで、日大豊山はことごとく先頭打者が長打を放って、それがいずれも得点に繋がっていった。しかし、松本投手は、以降はしっかりと抑えて1失点のみで何とか堪えていた。都立高島が守りで辛抱すると4回、二死走者なしから4番下村 繁人選手(3年)が右前打で出塁すると、四球と6番玉城智寛選手(2年)も繋いで満塁。ここで日大豊山の村井 達将投手(3年)がボーク。都立高島は1点を返した。さらに、日大豊山に失策も出て、都立高島はラッキーな形で同点とした。 振出しに戻った試合は松本投手と村井投手の投げ合いという形で終盤に入っていった。こういった展開の中で、都立高島が格上のシード校・日大豊山を食うとしたら、ラッキーな形で8回裏に得点を拾うか、9回サヨナラ勝ちというパターンか、と思っていた。 そんな矢先の7回、日大豊山は一死から2番山下 修選手(3年)が四球で出ると、ここで福島 直也監督はエンドランを仕掛け、谷口 光陽選手(3年)が中前打で一、三塁。ここで最も頼れる4番小寺 蓮大(3年)が右中間へ落す二塁打で二人を還す。ここで都立高島の牛久保 和哉監督は松本投手を諦め、初戦で好投した笹尾 隼矢投手(3年)をセンターからマウンドに送った。 しかし、失策もあってさらに日大豊山に1点が入る。日大豊山の攻撃は勢いが衰えず、8回にも3本の安打と四死球などで4点を追加。一気に7点差となってしまった。このあたりは、やはりシード校の底力とも言えようか。 都立高島の牛久保監督は、「中盤までは3点勝負のゲームプラン通りの展開でしたが、終盤、一気にやられてしまいました」と残念がった。それでも、「3年間一緒にやってきたこのチームは、自分のやろうとしていることをよくわかってくれて、チームとしても成長したと思います」と、敗れたとはいえ、選手たちの頑張りを称えて、どこかに納得感もあるような表情でもあった。