美祢線促進協の復旧検討部会 JR西が運営と施設維持の分担提案【山陽小野田】
JR美祢線利用促進協議会復旧検討部会(部会長・中島紀子美祢市地域振興課長、5人)の第2回会合は31日、山陽小野田市文化会館「不二輸送機ホール」で開かれた。昨夏の大雨被害から1年4カ月、運休が続いている美祢線について、JR西日本は鉄道で復旧した場合には運営と施設維持を分担する上下分離方式の導入を提案した。 JR西は5月に開いた促進協の総会で「復旧や再開後の運営についてJR単独では難しい」と言及。8月の第1回復旧検討部会では施設復旧費に58億円、工期は5年程度かかると初めて具体的に示した。 沿線3市らで構成する促進協が原則、鉄道での復旧を目指す中、JR西広島支社の能登一明地域交通課長は「上下分離などの事業構造変更で、地域の皆さんにも鉄道の運営に参画してもらうことが不可欠と考える」と提案した。 鉄道における上下分離方式は列車の運行を担う主体と、鉄道インフラの維持管理を担う主体を別の者とする仕組み。具体的には運行は既存の事業者であるJRなどが担うが、鉄道施設や土地は自治体などが保有管理するもので、廃線危機にある赤字ローカル線を公的支援で存続させる手段の一つ。 JR西は復旧費58億円のうち補助対象となりうる32億円について国、自治体、JR西それぞれの負担金額についても試算。上下分離方式などの事業構造を変更した場合、補助率が引き上げられ、さらに50%の特別交付税措置がされるとアピールした。 これに対して中島部会長は「あくまでJR単独での復旧、運営を求める」と現時点では上下分離方式は復旧の選択肢の一つとした。 第2回会合は12月を予定しており、鉄道以外の交通モード(移動手段)について議論する。