工藤会元幹部に無罪判決…「準大手ゼネコン社員宅に銃弾」事件、関与述べた実行役が虚偽供述の可能性指摘
福岡県福津市で2011年5月、準大手ゼネコンの社員宅に銃弾が撃ち込まれた事件に関与したとして、銃刀法違反などに問われた特定危険指定暴力団工藤会の元幹部の被告(57)の判決が13日、福岡地裁小倉支部であった。渡部五郎裁判長は、被告の関与を述べた実行役の供述は信用できないなどとして無罪(求刑・懲役12年)を言い渡した。 【グラフ】工藤会組員の年代別構成比…2021年は70歳以上が16・4%
被告は、実行役の工藤会系元組幹部らと共謀。11年5月6日、福津市の男性方前の路上で拳銃から弾丸5発を発射し、玄関ドアなどを損壊したとして昨年7月に起訴された。
公判では実行役が被告から指示を受けたなどと供述し、共謀の有無が争点となった。渡部裁判長は被告との間に金銭トラブルがうかがえるとして、「(実行役が)虚偽供述をした可能性も否定できない」と述べた。
地裁支部は、組幹部(故人)が被告の関与を認める供述をした警察官調書の証拠請求を却下した。取り調べは組幹部が胃がんで入院し、体調が悪化した状況で行われており、判決は「捜査官による示唆・誘導によって作成された疑いが払拭できない」と指摘した。
福岡地検小倉支部の岡本貴幸支部長は「判決内容を精査し、適切に対応する」とコメントした。