約200人が死亡した洪水被害スペイン、13万人デモ…州知事に「あなたが犠牲者を殺した」
洪水被害で200人余りが死亡したスペイン東部バレンシアで、10万人を超える住民たちが政府のずさんな対応を糾弾し、州知事の辞退を求めるデモを行った。 【写真】バレンシア州知事の退陣を求めて警察ともみ合いになっているデモ隊 9日(現地時間)、米CNN放送によると、スペイン東部バレンシアの州都バレンシア市では同日、10万人以上と推算される住民がカルロス・マソン州知事の退陣を要求して街頭を行進した。 現地メディアは同日午後6時から始まったデモに約13万人が参加したことが分かった。 この日のデモ参加者たちはカルロス・マソン州知事に向かって「あなたが犠牲者を殺した」「殺人者」などを叫びながら辞退を求めた。 あるデモ参加者はロイターに「州政府は適時に洪水を警告せず、適時に対応もしなかった」とし「私たちは彼らが退き、新政府が彼らが残した問題を解決することを願う」と話した。 バレンシア市役所広場周辺まで行進した同日、デモ隊は鎮圧シールドと棍棒で武装した警察に遮られた。一部は市役所に向かって泥や椅子などを投げたりもしたが、大きな負傷者は発生しなかった。 AFP通信はこの日、バレンシアの他にもマドリードとアリカンテなど他の都市でも類似したデモが行われたと伝えた。 バレンシアのマリア·ホセ·カタラ市長はX(旧ツイッター)を通じてデモ参加者に陳情してほしいと訴え、「対立と破壊行為は決して解決策にはならない」と述べた。 スペインでは先月29日、南東部を襲った奇襲豪雨で少なくとも220人が死亡し、70人余りが行方不明になった。死亡者の大半(212人)はバレンシア州から出た。同日、8時間でほぼ1年分の雨が降った。 今回の水害に対し、住民たちは国王と政府に憤っている。水害が当局の安易な対応のせいだと考えるからだ。政府の遅い対応が状況を大きくしたという指摘だ。 3日、最大被害地域の一つであるバレンシア州のパイポルタを訪問したスペイン国王フェリペ6世とサンチェス首相は悪口とともに泥に浴びせられるひどい目にあった。憤った住民たちは、被災地を歩く国王と首相一行を囲んで、泥と汚物を投げつけた。「殺人者たち」「恥」「消えろ」と悪口も言った。ある若者が国王に向かって国家の水害対応が「恥ずかしいこと」と叫ぶ場面が撮影された映像がネット上で広がった。 米国ワシントン・ポスト(WP)はスペイン気象庁が大雨「赤色警報」を発令した時から地域住民に緊急災難安全メッセージが発送されるまで10時間以上がかかるなど当局の不十分な対応が人命被害を大きくしたと報じた。このメッセージも「いかなる移動もしないように」という程度の簡単な内容だけが書かれていた。 CNNによると、マソン州知事は中央政府から今回の事態の深刻性を早期に警告されなかったと抗弁したが、スペイン政府は4回も繰り返し電話をかけた末に辛うじてマソン州知事と連絡がついたと説明した。 サンチェス首相は2日の記者会見で「我々の対応が十分でなかったという反応を認知している」と述べた。