大山音頭の会が「1300舞」奉納 鴨川の大山寺開創1300年に合わせ(千葉県)
鴨川市平塚の高藏山大山寺の開創1300年に合わせ、今年2月から「1300舞」を目指して境内で踊ってきた大山音頭の会が15日、最後の踊りを奉納した。踊りを奉納するごとに時計回りに龍の絵に色を塗っていき、完成した絵を金本拓士住職に手渡した。 大山音頭について書き留めた書物などによると、大山音頭は、旧大山村の文化活動の一環として誕生。太平洋戦争真っただ中の1943(昭和18)年に発表されたが、その後戦況は悪化し、「せっかくのふるさとの歌も自然消滅の憂き目にあっていた」という。半世紀の時を経て、1991(平成3)年に復活を試み、踊りを交えての練習が行われたが、これもまた自然消滅。音源が残され、当時の踊りを覚えていた女性もいたことから、2017(同29)年に同会を発足し、3回目の復活を遂げた。 現在は、市内の50~90代の40人で活動し、練習は月2回。「大山音頭」、「房州鴨川音頭」など、7曲がレパートリーで、はんてんもそろえ、イベントなどで踊りを披露している。 地域のシンボル、大山寺の開創1300年の記念すべき年を一緒に盛り上げようと、「曲数×踊り手の人数」で「1300舞」を目指す「千参百の舞」を企画。今年2月に開催された同寺の節分会からスタートし、花祭りなどの行事をはじめ、毎月28日の護摩法要などで踊りを奉納してきた。初代波の伊八(武志伊八郎信由)の龍の彫刻がある同寺にちなみ、踊りを奉納するごとに、龍の絵の尾の部分から色を塗り足していった。
15日は、1300年記念行事の集大成の法要が営まれ、最後に境内で約40人が輪をつくり、大山音頭など3曲を奉納。残された龍の頭の部分の色を塗り上げ、絵が完成した。 「開創1300年を機に踊ったことで、お寺とみんながつながることができた。長狭平野を眺めながら踊った時間は特別で、喜びになった」と同会の役員。小川直男会長(90)は「みんなで協力し合って続けることができている。これからは長狭地域一帯で大きな輪をつくっていきたい」と話していた。 (安藤沙織)