世界最古の職業病「じん肺」肺の組織を破壊、死に至る可能性も…トンネル工事従事者ら「救済法」の制定訴える
「提訴前に亡くなった人もいる。1日も早い和解成立を」
会見に参加した、原告団の代表を務める73歳の広沢裕俊さんは自身の経験を踏まえ、以下のようにコメントした。 「私は約35年間、新幹線やダム、高速道路などの現場で働き続け、2010年に引退しました。そして引退から約10年後にじん肺に罹患したことが判明し、その後続発性気管支炎も確認されたことから、療養に専念することになりました。 不治の病であるじん肺になると、どのような最期を迎えるのか、多少は知っていましたので、罹患がわかった時、『とうとう自分もかかってしまったのか』と思ったのを、今でも覚えています。 その後、救済を受けるには訴訟を起こす必要があると知り、約1年前から今日まで準備を進めてきました。しかし、家族のことや自分の体調を考えると、訴訟というのは大きな負担です。 さらに、今回の原告団には、提訴に至る前に亡くなってしまった人もいます。 このような無念の仲間を今後増やさずに済むよう、そして、今もなお工事現場で働く後輩のためにも、1日も早い全員の和解成立と、裁判を経ない救済制度創設が果たされるよう強く訴えていきたいです」
弁護士JP編集部