敵地サポーター金沢歓迎200回 ツエーゲン応援の有志
●バス乗り場案内、水引贈る サッカーJ3ツエーゲン金沢のサポーター有志がホーム戦の開催時、金沢駅でアウェーサポーターを出迎える活動が今月、200回を達成した。J2昇格時の2015年に始めた取り組みで、会場行きのバス乗り場を案内し、土産品も贈って県内の観光地を紹介してきた。J3に降格した今季も継続しており、敵味方の分け隔てなく来場者をもてなし、サッカー界や地域の盛り上げに貢献している。 もてなし活動を続けているのは、ツエーゲン金沢サポーターでつくる「アウェイサポーターおもてなし隊」。活動200回を達成した11月3日、金沢駅バス乗り場で発起人の薬子利恵さん(56)=金沢市=ら2人が「ようこそ」「歓迎」などと書かれたボードを手に、この日対戦したいわてグルージャ盛岡のサポーターを出迎えた。 ボードには「お出迎え10年 200回目」の文字も記した。薬子さんは大きな声でバス乗り場を案内し、相手サポーターには金沢名産の水引のストラップを記念にプレゼントした。 ●J2昇格の15年開始 薬子さんはツエーゲンがJ2に昇格した2015年、大宮アルディージャとの開幕戦を観戦するためさいたま市を訪れたところ、大宮駅近くの商店街に掲げられた金沢のサポーターを歓迎する垂れ幕に心を打たれた。「アウェーで歓迎されてうれしかった。その気持ちを自分たちからも伝えたかった」と奮い立った。 この年の4月から、ホーム戦の日はサポーター有志や金沢市、石川県サッカー協会の職員とともに手作りボードを掲げて金沢駅の新幹線改札口の前に立ち始めた。多い時は20人が駅構内や出入り口で出迎えたが、現在は3人が中心となって活動を続ける。 ●観光スポット紹介 薬子さんは、旅行会社の勤務経験や「いしかわ観光特使」で培った知識を生かし、試合後のおすすめの観光スポットやグルメを紹介。顔見知りのサポーターができ、何年かぶりに対戦するチームでも顔を覚えていてくれるという。 今季は試合後のバスの見送りも行っている。薬子さんはツエーゲンの今季J2昇格の可能性がなくなったことを悔しがりながらも、来季もお出迎えは継続するとし「全国のサポーターは仲間。協力してJリーグや金沢の街を盛り上げたい」と話した。