熊本市と県の体育施設、利用予約が別システムに 共同運営サイト「よやくまくん」終了へ 利用者は戸惑いも
熊本市は12月、市が管理する体育施設の利用予約を独自の新システムに移行する。市と熊本県の体育施設はこれまで、両者が共同運営する専用サイト「よやくまくん」で一括して予約できていた。しかし、2025年1月以降、市の施設の予約で「よやくまくん」は使えなくなる。利用者からは二つのシステムの併用に、戸惑いの声が上がる。 「よやくまくん」は体育施設の空き状況を確認したり、予約できたりするシステムで、2010年4月に運用が始まった。対象は県民総合運動公園とパークドーム熊本、県立総合体育館、リブワーク藤崎台球場(予約は電話対応)の県営4施設と、熊本市が管理する53施設だ。 市スポーツ振興課と県体育保健課によると、「よやくまくん」が老朽化に伴い25年3月で終了するため、新たなシステム導入が必要となった。県は共同運営の継続を熊本市に提案。しかし、市は年間の運用コストが現在に比べ半額の約1200万円となる、独自システムの導入を22年11月に決定。「よやくまくん」の対象施設の9割超が市営であることや、運用面の改善と機能追加を市の判断でできる点も加味したという。
月に6回ほどパークドーム熊本などでテニスを楽しむという熊本市東区の主婦(58)は「市営施設を使うこともあるので不便になりそう。システムを一つにしたまま、更新できなかったのだろうか」と疑問を口にする。 市スポーツ振興課は新システムについて、「使い勝手を良くし、支払いも便利になる」と説明する。これまでパソコン用だけだった画面表示を、スマホなどの端末に合わせて最適化。現金か口座振替に限られた料金支払い方法は、クレジットカードや電子マネーなどに対応する。 利用には新たな登録が必要。同課は「ホームページでの説明を充実させるなど、利用者の問い合わせに丁寧に対応し、周知を徹底したい」と話す。 一方、県は来年4月に導入予定の県営施設の予約システムについて、来年2月から利用者登録を始めるが「詳細は調整中」としている。(九重陽平)