「これ今日中ね」と定時後に上司からサービス残業を強要されます…一度タイムカードを切っているのですが、残業代を払ってもらうことはできないのでしょうか?
企業によっては、上司からタイムカードを切ってから働くようにとサービス残業を命令されることがあるかもしれません。しかし、サービス残業は労働基準法に違反しており、企業にはルールに基づいた残業代の支払いが義務付けられています。 本記事では、タイムカードを切って残業させられていても残業代を支払ってもらえるかに加えて、請求するために必要になる証拠などについても解説するので、気になる人は参考にしてください。
残業代の支払いを請求するのは労働者の権利
残業代の支払いを請求するのは労働者の権利であり、会社側は労働者に対して働いた分の賃金を支払う義務を持っています。そのため、会社はサービス残業をさせていると罰則対象になるのに加えて、取引先などに知られるとコンプライアンス意識が低いと判断されるでしょう。 労働者の権利を守るために労働基準法ではさまざまな内容が決められており、企業は労働基準法にのっとった行動をしなければいけません。 残業代が正しく支払われていない場合は労働基準監督署や会社の担当部署に相談して、未払いの残業代を請求するのは労働者の権利です。 また、通常は法定労働時間を超えた分は25%割増の残業手当が支払われ、残業時間が1ヶ月で60時間を超えている分は残業手当の割増率が50%になるなど、状況によって最低割増率が変化する点は把握しておきましょう。 ■上司が独断でサービス残業をおこなわせる理由とは? 上司は、部署全体を統括して成績を残すことを求められる以外にも、部下が働きやすい環境を整えることも業務となります。そのためには、一人ひとりが定時内で仕事が終わるように仕事の割り振りを考える必要があります。 したがって、あまりにも部下の残業時間が長くなれば、管理能力不足と上層部から判断される可能性が高いです。 その結果、成績を残しながら部下の管理もできていると上層部にアピールするために、独断でサービス残業を命令するケースがあり、部下にとっては会社側が把握している残業時間と実態が乖離(かいり)している事態が発生することになるのです。