見た目は過激でも……ヤマハ「3代目MT-07」はフレンドリーなストリートファイターだ!
MT-07はヤマハ 「CP2」エンジンの原点モデル
1970年代から4ストパラレルツインの魅力を追求してきたヤマハ。 クランク位相角が270度のパラレルツイン(並列2気筒)を、近年の同社はCP2=クロスプレーン2気筒と称している。もっともこの呼称を使用する以前から、ヤマハは他メーカーに先駆ける形でクランク位相角が270度のパラレルツインを実用化し、量産第1号車は1995年型TRX850、第2号車は1996年に仕様変更を受けたTDM850、第3号車は10年にデビューしたXT1200Zスーパーテネレだった。 【画像12点】最新型=3代目ヤマハMT-07の特徴、全車体色を写真で解説 そして現在のCP2シリーズの原点は、2014年から発売が始まったMT-07(700cc並列2気筒)である。そんなMT-07の登場前夜を振り返ると、僕を含めた多くのライダーは、一足先に市場に投入されたMT-09(900cc並列3気筒)の弟分的なキャラクターを想像していた……のではないかと思う。とはいえ、クロスプレーンコンセプトを共有していても、2台は完全な別物だった。 具体的な話をするなら、アグレッシブなストリートファイターのMT-09に対して、MT-07はフレンドリーなオールラウンダー。その差異をどう受け止めるかは人それぞれだったものの、各車各様のキャラクター設定は大正解で、2台のMTは世界中で大ヒットを記録。以後はXSRやトレーサー、テネレ700、YZF-R7といった派生機種が追加され、MT-09は2017に2代目、2021年に3代目に、MT-07は2018年に2代目、2021年には3代目へ進化している。 なお2台のMTの進化の方向性は、お互いの距離を縮めていくかのような展開で、MT-09が世代を重ねるごとにフレンドリーになったのに対して、MT-07は徐々にストリートファイター色が強めている。そして初代MT-07の抜群の親しみやすさや、80年代以前の旧車に通じる優しさに感銘を受けた身としては、2代目以降の進化には違和感を覚えなくもなかった。 ところが、最新のCP2エンジンシリーズ全車(MT-07、XSR700、テネレ700、YZF-R7)を同条件で試乗したところ、僕の現行MT-07に対する印象はガラリと変化。コレはコレで大いにアリ!!という気がしてきたのだ。