パリ五輪・飛び込み2冠の中国選手、故郷の農村が“チャンピオン村”に大変貌。日帰り観光ツアーが大人気も…「過度の商業化は好ましくない」と賛否両論
14歳で東京五輪・女子高飛び込みの金メダルを獲得し、17歳で迎えたパリ五輪でも高飛び込みとシンクロ高飛び込みで金メダルに輝いた中国のクアン・ホンチャン(全紅嬋=ゼン・コウセン)が話題になっている。 【画像】史上初めて競技場外で行なわれたパリ五輪開会式の名場面を厳選ショットでお届け! 香港紙『South China Morning Post』によるとクアン・ホンチャンの故郷、中国南部の広東省湛江市麦河村への日帰り観光ツアーが大盛況だという。 「クアン選手がパリ五輪で2つの金メダルを獲得して以来、田舎のコミュニティーの人気が急上昇。観光ツアーの広告には“オリンピック村”や“チャンピオン村”という言葉が躍るようになった」 東京五輪で金メダルを獲得した後のインタビューで、クアン・ホンチャンは「お母さんが病気なので、お金を稼いで治療費にあてたい」と語ると中国国民が感動し、瞬く間に時の人となった。 パリ五輪でも期待に応えて2冠を達成すると、地元の旅行代理店がクアン・ホンチャンの故郷、麦河村への日帰り観光ツアーを開始。料金はわずか58元(約1170円)ということもあり、人気のツアーとなった。 ツアーの対象者は25歳~70歳の観光客で、対象外の参加希望者は追加で70元(約1420円)を支払う必要があるという。参加者にはボーナスギフトとして電気鍋がプレゼントされる。旅程には複数の小売店が入っており、旅行代理店は各店から手数料を得るため、このような価格設定が可能になっているようだ。 「クアン選手の人気が高まるにつれ、貧しい農村には、村人が経営する子豚の丸焼きやチキン料理のレストランがオープンした」 同紙によるとツアーに対する中国国民の関心は高く、「遠すぎるから行けないけど、近かったら言っていた。58元はお得」「素晴らしい。クアン選手は地元経済に貢献した。村の収入機会を生み出した」「もしクアン選手が何かの宣伝をしたら、それを買うと思う」などと、好意的な反応を示しているという。 一方で、「過度の商業化は好ましくない。クアン選手には好きなことをする時間や家族と過ごす時間が必要だし、村が観光客で溢れたら家に帰る時間がなくなってしまう」という懸念の声もあり、同紙は賛否両論が巻き起こっていると伝えた。 構成●THE DIGEST編集部
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