スマートバンクが40.8億円の資金調達。「貯蓄ゼロ世帯」救う金融サービス目指す
双子の兄弟が率いる金融スタートアップが、「貯蓄ゼロ世帯」を救うためのサービスを構築する。 【全画像をみる】スマートバンクが40.8億円の資金調達。「貯蓄ゼロ世帯」救う金融サービス目指す 家計簿プリカサービス「B/43(ビーヨンサン)」を運営するスマートバンクは11月12日、シリーズBラウンドのファーストクローズで40.8億円の資金調達を完了した。 資金を調達した同社が目指すのは、B/43を発展させ、「お金の悩みを相談できるアドバイザー」のようなサービスを構築すること。AIを活用したサービス開発を推進していく。
スタートアップ「2周目」の経営陣が手掛ける金融サービス
スマートバンクの経営陣は、スタートアップ「2周目」だ。双子の弟・堀井翔太CEOと兄・堀井雄太CTO、そして竹渓潤CXOは、フリマアプリ「FRIL」(現・楽天ラクマ)を開発したFablicの創業メンバーでもある。 2016年にFablicを楽天に売却し、2019年にスマートバンクを創業。2021年4月に、家計簿プリカサービスのB/43の提供を開始した。 B/43は、Visaブランドのチャージ式プリペイドカードと家計管理アプリが一体となったサービス。 事前に入金(チャージ)したカードで決済すると、支払履歴がスマホアプリに残り、家計簿も自動で作成。普段使っているお金の動きを可視化できる。 B/43のプリペイドカードには、2枚のカードで残高を共有できる「ペアカード」、個人向けの「マイカード」、子ども向けの「ジュニアカード」の3種類がある。 このうちペアカードが特に人気で、20代の夫婦やカップルの利用が多いという。
「貯蓄ゼロ」解決には支出管理だけでは不十分
スマートバンクがパートナーや家族の次に注目しているのが、「貯蓄のない人々」だ。 スマートバンクは12日の会見で、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」の結果を引用。単身世帯の3分の1、2人以上世帯の4分の1、総人口のうち3000万人が貯蓄ゼロであると指摘する。 B/43によって支出を可視化できても、衝動買いなどの浪費が減らなければ貯金はできない。 「我々が取り組んできた家計の可視化だけではまだ課題がある」と堀井氏。実際にB/43のユーザーの一部からは「可視化した後にどうすればいいのかわからない」という声もあるという。 この課題を解決するために、B/43はただ支出を管理するだけでなく、「実際に何をすべきなのか」をユーザーに示すプロダクトへの進化を図る。
松本和大