【水上の女神~レーサーの素顔(301)】田中瀬里奈
ふとしたことが人生の転機につながることもある。埼玉支部のルーキー・田中がボートレーサーを目指したのは、昔にもらった〝あるもの〟を見つけたのがきっかけだった。 「中学3年生のときにボートレーサー募集のイベントがあって、そこで小さいペンライトをもらったんです。大学に入ることが決まって引っ越しするときに部屋を片付けていたら、そのペンライトが出てきて。それまではボートレーサーのことはほとんど考えていなかったんですけど、それを見て『受験しなきゃ!!』と思いました」 小学3年生から続けていたソフトテニスでの推薦で東洋大学への進学が決まっていたが、思い立ってボートレーサー養成所の入所試験を受けると見事に合格。「厳しかったです」と振り返る1年間の訓練生活を経験したのち、今年5月に戸田でデビューした。 「勝負の世界は厳しいですけど、ボートに乗ることは楽しいです。今は戸田での練習でいろいろ試せるのも楽しいですね」 ここまでの3節でまだ初勝利には手が届いていないが、この仕事の楽しさや厳しさは徐々に感じ取っているようだ。 「自分は何度もボートに乗って、体で覚えるタイプだと思っています。今の目標は初勝利ですが、コツコツと力をつけて実力で勝てる選手になりたいです」 笑顔の奥に負けん気の強さが垣間見える。誰よりも多く練習を重ね、地力をつけていく。 (立山友基) =次回は19日に掲載 ◎略歴 ◆田中 瀬里奈(たなか・せりな)2005(平成17)年3月24日生まれ、19歳。北海道出身。埼玉支部所属。134期として今年5月に戸田でデビュー。特技はソフトテニス、華道。趣味はお菓子作り、物作り。好きな食べ物はお菓子、カレーライス、パン。好きな言葉は「何事にもチャレンジ」「当たって砕けろ精神」。16日開幕の蒲郡一般戦に出場予定。154センチ、52キロ。血液型O。