【大学野球】勝ち点0と厳しい戦いが続く慶大 指揮官は「東大戦に全力投球したい」
明大3回戦も力及ばず
【9月30日】東京六大学リーグ戦第3週 明大2-1慶大(明大2勝1分) ※延長10回 明大・田中武宏監督は慶大2回戦を8対0で先勝した後「明日(3回戦)は、まったく別のチームになってくる」と、相当な警戒をしていた。1プレーで、一気に流れが変わることもある。東京六大学リーグの怖さ、慶大の伝統の力を知り尽くす田中監督は、大勝したチームを引き締めるのに必死だった。 1敗1分とあとがない慶大・堀井哲也監督、本間颯太朗主将(4年・慶應義塾高)は1日で、しっかりとチームを立て直してきた。
3回戦は慶大の先発左腕・渡辺和大(2年・高松商高)が7回1失点と力投。「投げた試合ではきっちりゲームをつくってくれる。1失点は責められない」。しかし、打線がつながらず、0対1で9回裏の攻撃を迎えた。二死二塁から代打・坪田大郎(3年・慶應義塾高)が右翼線二塁打を放ち、土壇場で同点に追いついた。堀井監督は言う。 「代打の何人かの一人。神宮での初安打でしたが、よく打ってくれたと思います。ただ、1点では勝てなかった……。精いっぱい、やりましたが、力及ばなかった」 1対1のまま延長に入った。10回表、8回から救援したエース右腕・外丸東眞(3年・前橋育英高)が明大の六番・木本圭一(3年・桐蔭学園高)に決勝ソロを浴びた。慶大は10回裏の攻撃は無得点に終わり、2敗1分で勝ち点を落とした。立大との開幕カードも1勝2敗で落としており、1勝4敗1分、勝ち点0と厳しい戦いが続いている。 「良いプレーも出たが、つなぎ合わせられなかったベンチの責任」。堀井監督は敗戦のすべてを背負った。第3週を終え、第4週には東大戦が控えている。残り3カードである。 「勝ち点3を取りにいく。東大戦に全力投球したい」(堀井監督) 1回戦では2対3の9回裏、四番・清原正吾(4年・慶應義塾高)のソロ本塁打で引き分けに持ち込んだ(プロ併用日のため、9回打ち切り)。3回戦もあきらめない姿勢を見せた。9回裏に追いついた場面では、一塁ベンチで涙を流す選手もいた。試合後、明大・田中監督は「慶應さんの執念。『全然、違うチームになってくるから』と言っていましたが、そのとおりでした」と、勝ち点奪取に安堵した。中4日で東大戦。慶大には高いレベルでの学習能力がある。まったく別のチームになって、神宮球場に戻ってくるはずだ。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール