阪神・糸原 代打タイムリーから一挙5点 代打では149日ぶり適時打「まだまだ続くので、チーム一丸となって」
「阪神7-6DeNA」(29日、甲子園球場) 勝利への執念が大歓声を起こし、仲間の士気を高めた。打線の導火線に火をつけた阪神・糸原。ここぞの場面で見せた勝負強さが、勝利の女神を振り向かせた。 【写真】代打タイムリーから一挙5点 出迎えた岡田監督も思わず表情が緩む 「1点ではなくて、2点、3点取らないといけない場面だった。ヒットでつなげられてよかった」 4点ビハインドの七回。無死二、三塁の好機で岡田監督から代打として送り込まれた。下手投げ右腕・中川颯との対戦。カウント2-2からの5球目、高めに浮いたスライダーをコンパクトに振り抜いた。「何とか食らいつきながら、いいところに打てた」と、打球は左前に弾む適時打。攻撃の勢いを加速させる1点を返した。 前回9月21日の対戦ででは、1点を追う六回2死二塁の好機で遊飛。「前回のハマスタではチャンスで中川投手から凡退している。そういうのもあって、今日は打ててよかった」と、うっぷんを晴らす一打に胸を張った。また、代打でのタイムリーは5月3日・巨人戦以来、149日ぶりとなる待望の一撃だ。 打撃だけでなく、足でも魅せた。その後、二塁へ進むと、4番・大山の右前打の間に一気に生還。1点差に迫るホームを陥れ、続く佐藤輝の逆転2点適時三塁打へとつなげた。 今季はここまで主に代打として出場。打席が限られる中でも事を起こし、何度も流れを変えてきた。名前がアナウンスされればスタンドから湧き起こる大歓声。「いつも背中を押してもらっている」とファンの声を力に変えて、打席に立っている。 チームは前日にリーグ連覇の目標が絶たれた。ただ、下を向いているナインはいない。一夜明けて最大4点差をひっくり返しての逆転勝利。「まだまだ続くので、チーム一丸となって。今日もいい形で逆転できたので。チーム一丸となってやっていく」。勝負の短期決戦へ。流れを変える糸原のバットがチームに勝利を呼び込む。