5日に本体解体着手 輪島倒壊ビル 上層部は年内撤去目指す
元日の能登半島地震で倒壊し、解体工事中の輪島市河井町の輪島塗老舗「五島屋」の7階建てビルについて、市は5日、ビル本体の取り壊しに着手する。市中心部の交差点に横倒しのままになっており、市道にはみ出した上層部については年内の撤去を目指す。 2日は作業員が解体工事に備え、仮囲いを設置した。ビルはコンクリート造りで、1970年代に建てられた。地震に伴う大規模火災に見舞われた「輪島朝市」の近くにある。倒壊により隣の居酒屋が下敷きになり、男性店主の妻と長女が犠牲になった。 市は10月、倒壊を免れた3階建ての別棟から解体工事を開始。ビル本体は基礎部の一部が地面にめり込むように倒れており、国土交通省が解体作業と並行して基礎部を調べている。取り壊しは調査に影響がない3~7階から進められ、年度内に完了する見通しだ。 坂口茂市長は2日、北國新聞社の取材に「街中にビルが横たわる光景が続くと、市民の気持ちが沈む。復興へ前を向いてもらうため、解体撤去を急ぎたい」と語った。