伊集院静氏ら成し遂げたのは3人だけ…「直木賞とレコード大賞」二冠を次に達成しそうな「意外な人物」
伊集院静が鬼籍に入ったことで、記録保持者が皆無となった今、誰が二冠の衣鉢を継ぐのか最後に考えてみたい。 真っ先に思い浮かぶのは、やはり秋元康である。これまで『フライングゲット』『真夏のSound good!』(いずれもAKB48)と『インフルエンサー』『シンクロニシティ』(いずれも乃木坂46)で、阿久悠に次ぐ4度レコ大を制した名作詞家は、『着信アリ』『象の背中』『アドレナリンの夜』など、数々の小説も発表してきた。かつての山口洋子がそうしたように、他の仕事を完全セーブして執筆に取り組めば、二冠達成はぐっと近づくはずだが、一番の問題は、本人がその記録に関心があるかないかである。おそらく「ない」だろう。 意外な伏兵は、音楽プロデューサーの松尾潔である。作詞をした『Ti Amo』(EXILE)が’08年のレコード大賞を受賞し、’21年には『永遠の仮眠』で作家デビューしている。ある意味において、秋元康以上に二冠に近い存在かもしれず、この先も小説を発表し続ければ、その可能性は低くないはずである。(敬称略) 取材・文:細田昌志 ノンフィクション作家。1971年生まれ。近著『沢村忠に真空を飛ばせた男/昭和のプロモーター・野口修評伝』(新潮社)が「第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞」を受賞
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