<長野北部地震>押しつぶされた家々 白馬村を首相が視察
22日夜起きた最大震度6弱の地震で大きな被害が出た長野県白馬村や小谷(おたり)村、長野市など長野県北部。同県の調べで30棟が全壊、最も大きな住宅被害となった白馬村は24日、安倍晋三首相も視察し、厳冬を前に対策が急がれています。(写真はいずれも24日に白馬村で撮影)
「危険」の張り紙
被害が目立つ白馬村神城(かみしろ)地区ではこの日、家財道具を運び出したり、壊れた家の前で親類などに連絡をとる人の姿が目立ちました。住居部分がつぶれて屋根だけになったり、斜めに傾いた住宅や倉庫。東日本大震災の教訓から、一見大きな被害がなさそうな住宅にも専門家の判定による「危険」の張り紙が早くも貼られ、注意を促しています。
自宅の2階に母親と居て地震に遭ったという同地区の女性会社員(50)は、「最初の揺れが来て、これは大きな地震だと思って階下に降りようとしたら停電した。近所で人の叫び声が聞こえ、私もなんとか逃げようと窓から外に出た。気が付いたら家がつぶれていた。母親は無事でした」と話していました。 この女性宅の母屋の北側にある別棟の倉庫の建物が斜めに傾いたまま、被災後2日たつこの日も目の前で「ギシ、ギシ」と音を出しています。「いつつぶれるか分からない。近くにも寄れない」と女性は不安の表情でした。
首相が視察
この日午後1時すぎにヘリコプターで現地を訪れ視察した安倍首相は、被災者に声をかけながら阿部守一長野県知事らによる被害状況の説明を受けました。阿部知事や関係自治体は、安倍首相に十分な対策と支援を要請していました。
幹線道路にも影響
周辺の道路にはところどころ亀裂が入り、補修作業が急がれています。長野市と白馬村を結ぶ幹線道路は同日現在も途中で迂回路に誘導されるなど、影響が続いています。 今回の地震は糸魚川-静岡構造線の北部にある「神城断層」で発生したと見られており、今後の動きについては不明なものの注意が必要だとされています。気象庁の発表で24日午前6時12分には長野県北部で震度4の地震がありました。余震の警戒も続きます。 (ライター/高越良一)