ヒンドゥー教の神聖な色で塗られた涼しげな街角 “ブルー・シティー”
「ブルー・シティー」はジョードプルの愛称。旧市街の家屋がみな青色に塗られているためこう呼ばれるようになった。 ヒンドゥー教のシバ神が青で描かれるように、インドで青は神聖な色として扱われることが多い。ブラフマン(司祭)たちが自らの家の屋根や壁を青で塗るようになったのが始まりで、それを一般の人たちが真似るようになった、とか、青はペンキの成分の硫酸銅によるためで、ラジャスタンで多く産出されるため。または、青色は太陽の熱を反射するので、家々や町を涼しくするからだ、といった諸説があるが、本当のところはわからない。
朝早い時間、観光客も少なく、青に包まれたひっそりとした路地を歩いていると、異空間にいるような気にさせられる。不思議と心も落ち着いてくるようだ。普段は認識していなかったが、考えてみれば青というのは、空の色でもあり、海の色でもある、まさに自然の色なのだと気づく。ブルー・シティーは、「自然との調和」なのかもしれない。 (2011年1月/2016年4月撮影) ※この記事はTHE PAGEの写真家・高橋邦典氏による連載「フォト・ジャーナル<インド~偉大なる領主マハラジャ>」の一部を抜粋したものです。