格闘家・青木真也「スポーツと資本主義の相性ってめっちゃいいんだなって思います」その理由とは?
TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。今回のお客様は、格闘家・青木真也さんと常連客・落合陽一さん。格闘技が中東で盛んになりつつあるなかで、青木さんが懸念していることとは?
◆「お金があるところに人が集まる」のはスポーツも同じ
青木:格闘技は今、サッカーと同じ現象が生まれていて、要はオイルマネーですよね。 落合:中東のお金が流れていると? 青木:そうなんです、中東のお金がメインになってくると、みんなそこに群がるじゃないですか。だから、スポーツと資本主義の相性ってめっちゃいいんだなって思いますね。 落合:なるほど、人のほうが(お金のあるところに)動くからなぁ。 青木:なので、スポーツ(の動き)って今の社会をすごく表しているなと思います。 落合:確かに面白い。逆に青木さんはUSも挑戦されていますよね? 青木:アメリカにも行っています。 落合:USはけっこう昔から、格闘技をしっかりやっているじゃないですか。ルールとか契約とか、選手の出方っていうのは成熟しきっている感じですか? 青木:本当に成熟されていますね。1つ言えるのは(欧米でおこなわれる大会は)やっぱり欧米人のためのものではあるので、“ここだと出番がないな”と思ってアジアを主戦場にしたんです。 でもそれは10年ぐらい前の考え方で、いまや全世界、アフリカの人まで出場しているので、結局、格闘技やボクシングがお金になると思ったら、今までやっていなかった奴もやり始めますよね(笑)。 落合:そうですよね。 青木:なので(選手人口が増えるぶん)レベルアップがすさまじいですね。 落合:なるほどなぁ、じゃあ中東では(格闘技が)盛んになりつつある? 青木:サウジアラビア、カタール、あとアブダビあたりは、大会をとにかく招致していますね。 * 青木:お金がいっぱい入って(マネーゲームによる)競い合いが生まれると、スポーツの場合、究極のところでは、最終的に体力、技術、クリエイティブの勝負にならないところがあって。 落合:物量の勝負にもなりますよね。 青木:それが結果的に、サッカーや格闘技を面白くないものにしている側面はありますよね。 落合:そうですね、片側にお金がいっぱいついちゃうと……っていうところもあるし。 青木:本来、格闘技もサッカーもそこまで競い合いがなくて、牧歌的なところから発展する文化だったような気がするんですけど、お金が集まりすぎて競い合いが生まれすぎたことによって、最終的に“ただの競技”になっていくんじゃないかと……それはどのスポーツも一緒ですが。 (TOKYO FM「TOKYO SPEAKEASY」放送より)