フォーリミ×BRAHMANが作り上げた最高の夜 『MYSTERY TOUR 2024』最終公演オフィシャルレポート
04 Limited Sazabysが、対バンツアー『MYSTERY TOUR 2024』の最終公演を2月15日(木) に愛知・Zepp Nagoyaで開催。そのオフィシャルレポートが到着した。 【全ての写真】04 Limited Sazabys『MYSTERY TOUR 2024』最終公演(全17枚) 幕が下りるその瞬間まで何が起きるか分からない。よく映画のCMで「この物語の結末は映画館でしか分からない」みたいな煽り文句を見るけれど、結末も何も、ライブ当日まで、いや当日どころかライブが始まるその瞬間まで、ゲストが一切明かされない対バンツアー、それが04 Limited Sazabysの発明、『MYSTERY TOUR』だ。 2020年の初開催では新型コロナウイルスの影響でツアー途中での開催中止という苦渋の決断となった『MYSTERY TOUR』だが、あれから前に前に進む為に、当時の悔しさの糸口を何度も探して、諦めることを諦めてここまできたから、4年という月日を経て『MYSTERY TOUR』が帰ってきたのだ。 今回の『MYSTERY TOUR 2024』は2024年1月12日の神奈川は川崎CLUB CITTAを皮切りに全11公演、会場に集まったファンだけでなく、毎回対バン相手がSNSのトレンドにあがるなど、音楽で、ライブハウスで、エンターテイメントしまくってきたフォーリミ。様々な予想がSNSで飛び交う中、coldrain、マカロニえんぴつ、四星球、Saucy Dog、SHANK、My Hair is Bad、マキシマム ザ ホルモン、KEYTALK、東京スカパラダイスオーケストラ、岡崎体育というフォーリミだからこそ実現したゲストが各地のファンを熱狂させた。 そして2024年2月15日。ツアーファイナルはフォーリミの地元である愛知県、Zepp Nagoya。開演前、フロアからは『MYSTERY TOUR』最後のゲストの予想を話し合う声が会場のいたるところから聞こえてくる。フォーリミの地元ということもあり、彼らの仲間や後輩のバンドマンも沢山遊びに来ていて、彼らもまた、この後誰が登場するかで盛り上がっている姿を見かけた。もうこの時点で超エンターテイメントだし、もう誰が来たって正解だ。かく言う自分も絞りに絞って3アーティスト予想をしながら開演を待つ。普段のライブハウスでのドキドキに、特別なワクワクをプラスした気分。 期待と緊張がマックスに上り詰めたその時、会場に鳴り響いたのはライブハウスで何度も何度も何度も何度も聴いてきた、そしてその直後には必ず物凄い熱狂が待っている唯一無二のSE「Molih ta, majcho i molih」だった。「BRAHMAN!!」と声が出た。そして自分でもびっくりしたけれど出したことのない声で叫んでいた。人は本当に驚いたとき声なんか出ないと思っていたけれど、考える暇もなく叫んでいた。 いや、でも待て。ちょっと待て。まだ段ボールの可能性もある。福岡公演で10-FEETのSEで四星球が登場したことが現場だけでなくSNSでも大きな話題となっていただけに、まだ信じられない。最後まで信じられない。でも、だけど、目の前の信じられない光景に今度は言葉を失う。そこにいたのは紛れもなくBRAHMANで、この数年間を象徴するような、そしてBRAHMANというバンドの持つ静と動が共存した「Slow Dance」を歌詞の映し出される紗幕の中で歌う姿がそこにはあったのだ。 「望まれてる、望まれてねえ、関係ねえよ。呼ばれたらどこでも、地獄でも、全力で、BRAHMAN始めます!」と哮るTOSHI-LOWの咆哮。紗幕が落ち、「賽の河原」「SEE OFF」「BEYOND THE MOUNTAIN」と繰り広げられる怒涛のBRAHMANのライブに息を飲むフロア。中でも印象的だったのは活動初期から歌い続けている「THE SAME」で繰り返される「行動」という言葉の響き方、届き方だ。 知るために、知るための行動。それはBRAHMANというバンドを体現する言葉でもあり、その在り方、生き方をフォーリミのファンに「BRAHMANのライブ」を経験させることで体験させたことであって、きっと何かの、そして大きなきっかけになったと思う。行動こそ真実だと歌い続けるBRAHMANの真髄を、きっとフォーリミは自分たちの大切なファンに体験させたかったのだと思う。この日、TOSHI-LOWはフォーリミに対して「ライブハウスを愛しているバンドだし、いいバンドだなと思っている」「悔しさをバネにできる強いバンドだと思った。心の通じるバンドだと思っている」と語っていた。 後半は「逆光」「LOSE ALL」「CAUSATION」「PLACEBO」と、ワンマンライブでも中々聴けないレアなセットリストを披露。フォーリミからのリクエスト曲を盛り込みメンバーを歓喜させたBRAHMAN。若い世代に対して、先に生まれたものとして、先にきっと向き合うこととなる別れを「PLACEBO」で投げかける姿も脳裏に焼き付いている。 「いいバンドのファンは優しいね。今日はありがとう」と誰よりも優しい表情で語りかけ「いつだって最高なのは今夜!」と披露した「今夜」は、まさにフォーリミと作り上げたこの日のことを歌っているかのようだった。