堺雅人と井川遥の35年越しの初恋ラブストーリー。映画『平場の月』が2025年秋公開
映画『平場の月』が2025年秋に公開される。 『平場の月』は、朝倉かすみの同名小説を原作に、35年ぶりに再会した中学時代の同級生同士が離れていた35年のときを埋め心を通わせていくラブストーリー。 【画像】『平場の月』書影 妻と別れ、地元の印刷会社に再就職した主人公・青砥健将役を『DESTINY 鎌倉ものがたり』以来8年ぶりの映画主演となる堺雅人、青砥が中学生時代に想いを寄せ、今は夫と死別し、パートで生計を立てる須藤葉子役を井川遥が演じる。 監督は『花束みたいな恋をした』の土井裕泰。脚本を『ある男』の向井康介が担当する。 堺と初タッグとなる土井監督は「堺さんは、原作や台本もボロボロになるまで読み込んで、情報をすべて取り込んでいるが、最後は削ぎ落して、そのまま立っている感じがします。現場で堺さんのお芝居を見て、青砥ってこういう人なんだと教えられるような、青砥をわかっていくことが多いです。青砥という人が堺さんの中にあると思いますが、こちらの要求にも柔軟に対応してくれ、堺さんと役を作っていくのが本当に楽しいです」とコメント。 また「井川さんとは、以前ドラマ『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲』でご一緒した際に、この須藤のような“太いところがある人”と感じていました。須藤は一筋縄ではいかない難しい役です。須藤のシーンを撮影する度に井川さんとお互いに持ち寄って、見つけながらやっているような感じです」と語っている。 原作発表時には朝霞市、新座市、志木市など埼玉県内の実在の地名や店舗が多数登場し、話題となったが、映画でも同市内を中心にロケーションを敢行したという。 【堺雅人のコメント】 青砥役のオファーをいただき、原作を読みましたが、原作小説の世界が素晴らしく、豊かなので、ぐいぐいと引き込まれ、何度も何度も読み返しました。今回、原作に登場する場所で撮影し、いち原作ファンとしては聖地巡りのような、本当に夢のような日々が始まったなと感じています。 僕が演じる青砥は井川さん演じる須藤あっての青砥だと思っています。撮影が始まり、役としての井川さんと出会って、須藤の横にずっといたいなという気持ちが強くなりました。また、土井監督は大学の演劇研究会の先輩にあたり、ずっとご一緒したかったので、今回念願叶ってとなります。土井監督は物腰が柔らかく、丁寧に説明してくださり、役者が伸び伸びと動けるようにしてくださる印象です。これから撮影が続きますので、監督のおっしゃった通りに動きたいと思っています。 【井川遥のコメント】 須藤は青砥と再会したことによって、そこから慎ましやかだけれども気持ちが少しずつ膨らんでいく。この2人を応援したくなりました。私自身、この年齢になったからこそわかる気持ちが原作の中に溢れていて、温かさや切なさも同時にあるこの本を愛おしく感じました。 今回、私が演じる須藤は自分の弱さを見せまい、寄り掛かることをよしとしない覚悟を持って生きている人です。須藤の芯の強さ、意地らしさ、今ささやかな幸せを噛みしめている感じ、それら彼女の持っているものを大切に演じたいと思いました。堺さんは懐が深く、温かくて包み込んでくれるような方です。年齢を重ねてまたご一緒できること楽しみにしていました。土井監督とは今回2作目になりますが、大変嬉しく思っています。その役の持っているもの、滲み出てくるものなど丁寧に教えてくださるので、監督についていきたいと思います。 【朝倉かすみのコメント】 「平場の月」はわたしにとって初めての映像化作品になります。 もちろん映像化というものへの関心はありました。それは著作が異なるメディアで展開されるのを観てみたい、という圧倒的なミーハー魂と、わたしがひとりで書いたものを、わたしではない人たちがチームを組んで表現したらどんなふうになるのだろう、という純然たる好奇心の混ざり合ったものでした。 ミーハー魂は、「ピッタリ!」のキャストやスタッフを妄想させ、好奇心は、わたしが紙やモニタなどの平面に文字で描いたシーンが立体となったときの驚きや喜びを想像させました。シーンといっても具体的なものではなく、わたしが書くときに大事にしている三つ(ディティールと、実感と、イノセンス)が感じられるかどうかがポイントでした。 そんな我儘すぎるあれこれが、どんどん「ほんとう」に―それはもう思った以上に「ほんとう」に―なっていく不思議を、今、味わっている最中です。
CINRA編集部