円は対ドルで一時152円後半に上昇、衆院選後の材料消化-米経済注視
(ブルームバーグ): 29日の東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=152円台後半に上昇。国内政局の先行き不透明感を背景にした売りが一巡し、いったん円を買い戻す動きが出ている。
三菱UFJ信託銀行資金為替部マーケット営業課の酒井基成課長は、衆議院選挙で自民、公明の与党が過半数を維持できず、結果的に緩和的な金融環境が続くとの見方がいったん消化されつつある状況だと指摘した。米国で29日に9月の求人件数(JOLTS)、週末には10月の雇用統計の発表を控えており、「市場の注目は米国市場に向かう」とみている。
一方、SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は、石破茂首相が続投する考えを示す中、国民民主党が連立には入らないが協力すると言っているとし、「財政拡大的な政策になりやすく株価はしっかりしてくるだろう。米金利は高く、円はさすがに買えない」と述べた。
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Hidenori Yamanaka