〝支配下級〟の検定結果を誇るソフトバンクの育成19歳 ルーキーイヤーは体重4キロ増、首脳陣は「ミートする能力はたけている」と高評価
◆ソフトバンク秋季キャンプ(2日、筑後) ソフトバンクの育成ドラフト4位ルーキー、中澤恒貴内野手(19)=八戸学院光星高=が、チームで取り組む投球マシン「アイピッチ」を使った打撃検定で好結果を残している。 ■まるで映画のワンシーン、球場入りする柳田悠岐【写真】 今季から導入された検定は、直球を打ち返す、変化球も交えるなどのレベルが16段階まで分けられている。左右の投手別であり、右投手の最上級レベルの16級に合格した選手は、中澤と育成から支配下登録となった石塚綜一郎しかいない。 勝負強さと長打力を持ち合わせた打撃が魅力の右打者の中澤は、シーズン中も筑後で行われてきた検定に積極的に取り組んできた。昨年12月、ドラフト指名後に亜脱臼を繰り返していた左肩を手術。ダイビングキャッチなどプレーの一部に制限があったが、リハビリの合間にも検定に挑戦。「頑張ろうとやっていたら、けっこう進んだ」と笑う。現在は左投手版に挑んでおり、この日は7級を受けて合格した。 森笠繁4軍打撃コーチは「検定は難しいけど、落ちても次の日にまた向かっていく性格で、何とかしたい、受かりたいと意欲的だった。自分で考えながら練習をしているし、バットも量を振っている。メンタルが強く、前向きでいい」と評価した。さらに「ミートする能力はたけている。今、求めているのはもっと強い打球を打つこと」とさらなる成長を期待した。 ルーキーイヤーの今季は、ファーム非公式戦で36試合に出場し、打率2割4分5厘だった。「試合数が少ない中で、結果を出そうと思った。代打や途中から守備に就くことも多くて、1年目で難しさなどが分かってよかった」と振り返った。打撃面については「検定の成果を生かせたところがあった」と手応えを口にした。 この1年で体重は4キロ増えて85キロとなった。秋季キャンプでは筋肉量をアップすることなどを意識し、フィジカル面を鍛えていくことに重きを置いている。「(ウエートトレーニングは)ギリギリまで上げることができる強度のセット数を増やして継続してできるようにして、さらに重さを上げていく」。その後に行う技術練習にも「体もしんどい中で、どれだけ基本的なところを意識してやれるか」と前向きだ。 左肩の回復も順調で、来季からはプレーの制限がなくなる予定。その時に備えて、レベルアップに余念がない。(浜口妙華) 【#OTTOホークスファーム情報】
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