「汚され方ハンパない」「大便が壁に」「なぜか注射器が…」コンビニトイレが“地獄絵図”インバウンド客、酔っ払い、謎の高齢者…マナーが壊れた客にオーナー&従業員が悲鳴
現場から大ブーイングのコンビニトイレの“公共化”
このように、なぜかマナーの悪い客が集まりがちなコンビニのトイレだが、一方でコンビニが街のセーフティスポットとして機能している街もある。日本一の歓楽街、新宿・歌舞伎町周辺のコンビニはトイレを貸し出してはいないが、別のの問題を抱えていた。 通称“トー横”として有名なTOHOシネマズ周辺のコンビニの女性店員は言う。 「明らかにトー横キッズのような少年少女にはお酒は売らないように警察からも指導が入ってるので売りませんが、外国人がお酒を大量に買い、外で地べたに座って飲むなどは日常風景になってしまいました。 店内のゴミ箱の袋の入れ替えは2時間に一回ペースでも間に合わない時があります」 また、トラブルに見舞われた通行人を保護することも。 「喧嘩かなんかで男性に追いかけられてる女性が逃げ込んできて“助けて”と言われてバックヤードにかくまうことなんてしょっちゅうです。 ホストらしき男に追われて逃げ込んできた女の子とかも。でも長く居座られても困るので、女性がなかなか出ていかない時は警察に通報を入れて引き渡します。歌舞伎町のコンビニではあるあるです」 関東近郊のロードサイドでトラックも停められる大きな駐車場を完備したコンビニの50代のオーナーのAさんは「コンビニの社会的役割が大きくなりすぎている」と指摘する。 「以前、警察から当店の駐車場が薬物の受け渡し場所になっていたとかで捜査協力を求められました。防犯カメラを数日間分チェックし、怪しい動きの車を見つけ出し警察に証拠として提出しましたが、業務の合間で動画を見直すのは大変な労力でした。 また、郊外店で近隣に店がないからこそ、『駅から男性に付きまとわれてる』と女性が逃げ込んできたこともあります。コロナ禍で休業中に電気を消していた時は、近隣住民から『電気がないと夜は怖い』と言われたこともあります。コンビニは街の治安の向上にも大きく貢献してるんです」 また、Aさんは「コンビニは“ついでサービス”が多すぎる」とも言う。 「コンビニは小売業のはずなのに、利益率の低い収納代行から宅急便、メルカリ便まで新サービスが次々と増えて人件費との採算が年々合わなくなっています。それなのに本部は人件費を浮かせて利益を上げろと言い続けています。 トイレ掃除なんて、人件費は1回の掃除につき15分から30分ぶんとバカ高い上に利益ゼロです。本部はまともな人がトイレを使ってる想定しかしていませんが、ほとんどのコンビニのトイレの汚れは想定外ですから」 Aさんは「一部コンビニ大手はコンビニの公共化を進めているが、問題は山積みだ」と言う。 「昨今、神奈川の一部店舗でコンビニのトイレの公共化を実験的に開始しましたけど、本当に馬鹿げています。やるなら自治体による清掃業者の派遣や、清掃費用相当の支給などの支援策が必要不可欠。 店でバイト募集したって人なんて集まらないですから。コンビニ経営者の一番の悩みは人手不足ですよ。最近は本社がコンビニ店員専用の派遣会社を作ったりもしてますが、この派遣店員を使う時の手数料がすごく高いんです。身内相手に金儲けしてどうすんのって言いたいですよ」 コンビニのトイレに助けられた人は少なくないだろう。もう少しありがたみを感じながら大事に使うことを心がけたい。 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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