バークシャー株99%安の誤表示、NY証取ソフト更新中の不具合が原因
(ブルームバーグ): 米ニューヨーク証券取引所(NYSE)で3日、約40銘柄が誤って売買停止となり、 著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイなど一部銘柄の売買が前営業日終値を99%下回る水準で行われたと表示される問題が発生した。原因は同日の早い時間帯に行われたソフトウエア更新中の不具合だった。
NYSEで十数銘柄が売買停止、急激な変動で-システム障害か
米市場が障害に見舞われたのはこの1週間で3回目。統合テープ協会(CTA)が別のソフトウエアバージョンを実行するバックアップ・データセンターに再び切り替えたことで、障害は発生から約45分後に収まった。CTAのシステムはNYSEの子会社が運営している。
NYSEはバークシャー・ハサウェイの不自然な取引を取り消すとともに、誤った売買停止についてキャンセルの是非を判断するため精査していると説明した。
ニューヨーク時間午前9時45分(日本時間午後10時45分)前に始まった強制的な売買停止は、さまざまな取引所における買い呼び値と売り呼び値を統合する証券情報処理装置(SIP)上の始値表示向けソフトの変更をCTAが実施中に発生した。
午前9時50分ごろ、バークシャーのクラスA株は185.10ドルで十数件の売買が成立したと表示された。5月31日終値は62万7400ドルだった。NYSEによると、9時50分から9時51分までの間に60万3718.30ドル以下で行われた取引は全てキャンセルされる。同様の問題はニュースケール・パワーにも見られた。
この障害はナスダック上場株には影響せず、市場全体への影響も最小限にとどまったが、決済日を約定日(トレードデート)の翌営業日とする「T+1」への切り替えに取引インフラが対応する中で起きた。先月30日の障害ではS&P500種株価指数のリアルタイムの価格が1時間余りにわたって表示されなかった。
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