syudou、挑戦の一年を締めくくるライブで見せた覚悟「僕はsyudouを背負い、前に進んでいきたい」
syudouが、11月23日、神奈川・パシフィコ横浜国立大ホールにてワンマンライブ【syudou Live 2024『激愛』】を開催した。 その他の画像 2024年6月から7月にかけて東名阪をまわるライブツアー【syudou Live Tour 2024『溺愛』】を開催したsyudou。同じくタイトルに“愛”を冠した今回のライブは、その言葉のとおり、激しく、全身全霊のエネルギーをぶつけるような熱量たっぷりのステージになった。 開演時間となり、黄色の衣装を身にまとったsyudouがバンドメンバーのホリエマム(Dr)、長島涼平(B / フレンズ、ex. the telephones)、Kuboty(G)、モチヅキヤスノリ(Key)とともに登場。「はじめようぜ、横浜!」と叫んで披露したオープニングナンバーは「命綱」だ。ダークでアグレッシブなサウンドで会場の温度を一気に上げると、続く「笑うな!」ではステージ左右を動き回りながら軽快に歌う。 5000人が集った満員の客席に挨拶し「今回はタイトル『激愛』とある通り、激しいところもあれば、しっかり聴かせるところもある、上から下まで感情の起伏の激しいライブにしたいと思います」と告げたsyudou。続いてはアコースティック・ギターを抱えて「灯火」を歌う。冬の季節を描いた温かいバラードだ。 さらには「今日、ここに来たみなさんと乾杯したいと思ってます」と告げ、サビでオーディエンスの「カンパーイ!」のコールが響き渡った「へべれけジャンキー」から「コールボーイ」と酒をモチーフにした曲を続ける。ダンサブルな「ラブトリップサマー」ではsyudouとオーディエンスが高速ビートに乗せてタオルをぐるぐると振り回し、オーディエンスの興奮がどんどん高まっていく。カラフルなライティングの効果もあり、序盤から没入感のある展開だ。 続くMCでは「最近引っ越しをして、家電を買い替えたんです」と冷蔵庫と洗濯機を買ったというエピソードを明かしつつ、SNSで募った過去曲のリクエストをもとにした選曲として「キュートなカノジョ」から「ビターチョコデコレーション」を披露。さらに「ギャンブル」ではsyudouがステージ左右のお立ち台に立って叫び、オーディエンスが拳を突き上げ「オイ! オイ!」とコールで返す。エネルギッシュなパフォーマンスを次々と畳み掛け、広い会場に一体感が生まれる。 暗転するとステージには6体のジャック・オ・ランタンが現れ、syudouは黒いハットを被りメガネをかけマントを羽織った姿で再登場。ドラキュラ姿で披露したのは「アメイジングハッピーハロウィンナイト」。不穏なダークファンタジーの曲調はsyudouの真骨頂だ。 続けてsyudouは観客を座らせ、前回のツアーから始めた“ご当地観光”Vlogをスクリーンに映し出し鑑賞する。会場のパシフィコ横浜はsyudouにとっても思い出深い場所で、就活をしていた大学時代、会場周辺の公園に友人と座って未来を語り合っていたのだという。「人生の選択を迫られたとき、つらいとき、決心しないといけない時、周りにいろいろ言われても笑い飛ばせるような強い気持ちで生きていこうと思いを込めた曲」と告げ、続いて披露したのは「笑え」。伸びやかな歌声からは、syudouの真っ直ぐで情熱的なパーソナリティが伝わってくる。 終盤は「やっちゃったわ」から「取扱注意」と畳み掛けるような歌唱を披露し、続いてはこの日のクライマックスのひとつになった「インザバックルーム」。冒頭ではスポットライトの光を浴び「ジャンクで汚れたこの声で うるせぇ外野を黙らせる」とアカペラで歌う。ライブアーティストとして逞しく成長した今のsyudouの表現力を感じた。 MCでは「この曲を歌っていると、自分にとっての大切なもの、ぶれてはいけないものを、ライブでみんなと再認識できます」と感慨深い表情を見せたsyudou。さまざまな挑戦を繰り広げてきたこの一年の活動を振り返り「改めて出た結論として、僕はsyudouというものをやりきろう、syudouというものを背負い、前に進んでいきたいという気持ちが大きくなった一年でした」と語った。 続いて披露したのは、アーティストとしての決意表明を歌い上げる「いらないよ」。疾走感ある曲調にオーディエンスが飛び跳ね、床が揺れる。曲が終わるとsyudouはスポットライトを浴びギターをかきむしるように弾き鳴らし、そこから「あいきるゆぅ」へ。ハイテンションでジェットコースター的な展開を持った曲を叩きつけると、「全員で笑って終わりたいと思います」と披露した「爆笑」では銀テープが舞う。syudouはステージの上でのたうち回りながら歌い、「この名前くらいは覚えて帰れ」という歌詞の後に「syudouだ!」と叫ぶ。そして最高潮の熱気のまま本編ラストは「リヴァーサル」。エネルギーをすべて出しつくすようなパフォーマンスを見せ、ステージを降りた。 アンコールを求める拍手と歓声に迎えられて再び登場したsyudouは「ワークアウト」を披露。しんどい状況でも仲間と共に頑張るというテーマを描いた、真っ直ぐな応援ソングのロックナンバーだ。「ララララ」の合唱が生まれ、会場が一つになる。 「最高の景色ありがとう、この景色があるから頑張れます」と笑顔を見せたsyudouは、最後に「2025年5月31日、日本武道館でワンマンライブやらせていただきます」と次のライブを告知した。歓喜と祝福の歓声に「絶対に素晴らしい景色があると約束します」と応えたsyudouは、最後に「邪魔」を披露した。 音楽で生計を立てるのをなかば諦め大学4年生の頃に書いたという「邪魔」について「終わりみたいな気持ちで作った曲が、武道館に続くすごく大切な曲になった。始まりの曲になったと思ってます」と語ったsyudou。「意味というのは、続けていく中で強まっていくものだと思っています。武道館も、そこから先も、みんなと一緒に大切な意味を作っていきたいと思います」と力強く宣言した。 ライブを重ねるごとに彼の率直で誠実な人柄がファンとの強い結びつきを生み出してきたことを実感してきたが、5000人という過去最大規模のキャパシティでもそのパッションが一切ブレず、より強まっていることを実感したライブだった。 初の日本武道館公演【syudou Live 2025『美学』】は、2025年5月31日に開催される。初めてライブを開催した時から目標として掲げてきた念願の場所だ。その先でどんな景色を見せてくれるのか、期待が高まる一夜だった。 Text:柴 那典 Photos:Shingo Tamai ◎公演情報 syudou Live 2024「激愛」 2024年11月23日(土)神奈川・パシフィコ横浜国立大ホール <セットリスト> M1. 命綱 M2. 笑うな! M3. 灯火 M4. へべれけジャンキー M5. コールボーイ M6. ラブトリップサマー M7. キュートなカノジョ M8. ビターチョコデコレーション M9. ギャンブル M10. アメイジングハッピーハロウィンナイト M11. 笑え M12. やっちゃったわ M13. 取扱注意 M14. インザバックルーム M15. いらないよ M16. あいきるゆぅ M17. 爆笑 M18. リヴァーサル EN1. ワークアウト EN2. 邪魔