「雲の上の存在だと思っていた」高精度はんだ付け技術試験、伊達の女性技術者が優秀賞
電子機器の製造や修理を行うアサヒ電子(福島県伊達市)第一生産課の斎藤めぐみさん(39)が、高度なはんだ(ソルダリング)技術が必要とされる日本溶接協会の「マイクロソルダリング技術賞」の評価試験で優秀マイクロソルダリング技術賞(表面実装部門)を初めて受賞した。全国808人の受験者で唯一の受賞に「(賞は)雲の上の存在だと思っていた。受賞できてすごくうれしい」と笑顔を見せる。
マイクロソルダリングとは、電子機器の部品や基板に行う高精度なはんだ付け技術。顕微鏡で電子基板を見ながら、極めて小さなチップに0.2ミリ×0.1ミリサイズのはんだなどを手作業で付ける。評価試験では合否に加えて成績優秀者を表彰しており、優秀マイクロソルダリング技術賞の受賞には減点5点以下で、より厳しい審査をクリアすることが必要となる。 斎藤さんは資格の更新で3年ごとに受験しており、2023年8月に6回目を受験し、昨年10月下旬に受賞の知らせが届いた。斎藤さんは普段から機器の修復作業で基板内のICチップなどを取り換えており、10分間で約100カ所のはんだ付けを行うほどの集中力がある。基板の表面にはんだ付けする表面実装部門の試験でも、斎藤さんは落ち着いて取り組み、70分の制限時間内に七つの部品をはんだ付けした。 同社の貝沼聡第一生産部長は「(斎藤さんは)一番信頼しているはんだ付け技術者。はんだに関して筋道の通った意見を言ってくれるし、異常を感じた時の危険察知力もある」と成長ぶりを話す。斎藤さんは「これからも正確に、スピーディーに作業に取り組みたい」と意欲を見せる。
福島民友新聞社