いびきの治療法はご存じですか? 「CPAP療法」「レーザー」それぞれのメリット・デメリットも医師が解説!
レーザー治療とCPAP療法の特徴
編集部: いびきには色々な種類がありますが、どのようないびきが治療の対象となるのですか? 篠原先生: そもそも、いびきは「単純性いびき症」「上気道抵抗症候群」「睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)」の3つに分けられます。単純性いびき症は、お酒を飲んだときや疲れが溜まっているとき、鼻が詰まっているときなどにかくいびきのことです。一過性のものであれば特に心配はいりません。 編集部: ほかの2つはどういうものですか? 篠原先生: 上気道抵抗症候群は睡眠中、何らかの原因で上気道が狭くなり、強く呼吸をすることでいびきが生じます。習慣的にいびきが発生し、そのたびに睡眠が中断されるため日中に強い眠気や疲労感を覚えることがあります。睡眠時無呼吸症候群は睡眠中、無呼吸や低呼吸の状態になるため体が低酸素状態となる疾患です。放置すると生活習慣病を合併したり、認知症や脳卒中、心筋梗塞のリスクが高くなったりします。 編集部: そうなると、いびき治療が必要なのは上気道抵抗症候群と睡眠時無呼吸症候群ということになりますか? 篠原先生: 一般的にはそのように言われています。いびきに対する治療としては、レーザー治療とCPAP療法が代表的です。レーザー治療の中には、伸びてしまった軟口蓋や口蓋垂などの一部を切除する従来のレーザー治療と「切らないレーザー治療」があります。 編集部: 切らないレーザー治療について詳しく教えてください。 篠原先生: 当院でおこなっている切らないレーザー治療は、主に口蓋垂とその周りの軟口蓋粘膜にレーザーを照射して、呼吸の通り道である気道を広げます。従来はレーザーを照射して口蓋垂などの部位を切除し、気道を広げていましたが、最新の治療法ではレーザーを照射していびきの原因となっている部位を引き締め、呼吸を楽にします。 編集部: 一方、CPAP療法とはどのようなものですか? 篠原先生: CPAP療法は、「持続陽圧呼吸療法」とも言います。装置から鼻に装着したホースやマスクを通して空気を気道へ送り込み、常に圧力をかけた状態にして気道が塞がらないようにする治療法です。 編集部: CPAP療法は睡眠時無呼吸症候群だけでなく、無呼吸を伴わないいびきにも効果があるのですか? 篠原先生: たしかに、CPAP療法は睡眠中に安定して酸素を送り込むことにより、いびきの改善にも効果があるとされています。