24年障害騎手リーディングの小牧加矢太、今年3月定年の師匠・音無師に恩返しのフルスロットル
◇中央競馬記者コラム「ターフビジョン」 2024年の障害騎手リーディングは、最終日までもつれる激戦の末、小牧加矢太騎手(28)=栗東・音無=が獲得した。勝利数は18で、上野と並んでいたが、2着数で3つ上回ったため、3年目にしてJRA賞最多勝利障害騎手の称号を手にした。 「今は勝ち鞍の多さよりも、どうすれば障害馬として活躍できるようになるかを考えてレースに乗っているので、そこまでリーディングにこだわっていたわけではないのですが、勝つに越したことはないですし、3年目で取れたのは意義があるのかなと思います」。年明けに「おめでとう」と声を掛けると、柔らかな表情で喜びを語ってくれた。 2年前のリーディングが石神に2勝差の2位。ただ、勝っていたのは全て平場のレースで、意外にも重賞初制覇となった昨年の新潟ジャンプS(ホッコーメヴィウス)が、特別レース初Vだった。減量の恩恵がなくなった中、重賞も勝ってのリーディング。「今年はGⅠを勝ちたいです」と、さらなる高みを見据えている。 小牧には今年、どうしてもかなえたい目標がある。それが、師匠である音無秀孝調教師(70)の通算1000勝。現在、992勝で、今年3月2日の競馬を最後に定年を迎える。「音無先生が最初から勝てる馬を用意してくれて、すごくバックアップしてくれた。音無厩舎でなかったら、間違いなくリーディングは取れていません。あと2カ月で8勝なので、毎週1勝とペース的には厳しいかもしれませんが、何とか達成できるよう頑張ります」。後ろ盾となってくれた師匠に恩返しを。小牧の4年目は年始からフルスロットルだ。 (黒柳勝博)
中日スポーツ