欧州挑戦も半年で契約解除「無職の2か月」 身重の妻と離れ…渡った先の壮絶な過去【インタビュー】
スペインは「より具体的」、日本との違いにも言及
一方で、スペインと日本で感じたギャップについて尋ねると「自分の意見だったり、自分のやりたいことっていうのを向こうはしっかりと伝えるし、それを表現するイメージです」と、意思表示の面で大きな違いを指摘する。 「日本人とか、Jリーグにそういう部分がないわけではないのですが、より向こうは具体的だったり、直接自分はなぜ使われないのかという話を監督に話に行く選手もいました。あとは大事な試合だったり、もらったチャンスに対してしっかりそこで発揮する力というのは海外の選手の方が強いのではないかな」と海外選手の特徴にも言及した。 短い在籍期間ではあったが「スペインはすごくいい国」と、今でも長谷川は好印象を抱いている。「街の人柄も明るいですし、ご飯も美味しい。天気もいいですし、もう一回行きたいなと思える国ですね。あんなに辛くて苦しかったはずなんですけど、それでもまた行きたいというのは、やっぱり魅力的な国だなと。サッカーの歴史もありますし、リーガの強いクラブ以外のチームもすごく面白いサッカーをします。もし機会があればサッカーだろうとプライベートだろうと、また行きたいですね」と笑顔でスペインの良さを語ってくれた。 スペインでの濃い経験を経て、自身9つ目のクラブで邁進した長谷川。「1日1日を大切に」という思いを胸に、プロサッカー生活18年目…今季限りでスパイクを脱ぐ。苦しい時期がありながらもJリーグの舞台で戦ってきた姿は、過去の経験値をポジティブに受け入れたからこその強さが詰まっている。 [プロフィール] 長谷川アーリアジャスール(はせがわ・あーりあ・じゃすーる)/1988年10月29日生まれ、埼玉県出身。横浜FMユース―横浜FM―FC東京―C大阪―レアル・サラゴサ(スペイン)―湘南―大宮―名古屋―町田―鳥取。元日本代表。J1通算251試合17得点、J2通算97試合14得点、J3通算33試合3得点。持ち前のパスとドリブルを駆使しチャンスを演出する。22年シーズンで町田を契約満了となりフリーとなっていたなか、23年4月に鳥取に加入。翌年8月からは副キャプテンに就任し、チームを支えていた。24年11月に今季限りでの現役引退を発表している。
FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也 / Kenya Kaneko