『おむすび』橋本環奈が向き合う“3つ“の居場所 ギャル嫌いの結に訪れた心の変化と成長
結(橋本環奈)の幼なじみが“野球部員”であることも重要なポイントに
結は“ハギャレン”の面々との交流を重ねるうちに、彼女らの居場所が基本的にここにしかないことを知った。田中鈴音/スズリン(岡本夏美)は母と二人暮らしの家計が非常に厳しい事情があるし、ルーリーは不仲の父母とうまくいっていない。“ここ=ハギャレン”だけが心の拠り所であり、彼女たちが彼女たちらしくあれる特別な居場所なのだ。逆のことをいえば、彼女たちにはここしかない。 結が“ハギャレン”の面々に心を開き、一緒にパラパラを踊るまでに至ったのは、このことに気がついたからなのではないだろうか。これはあくまでも私の想像だが、結は勘が鋭く心の優しいヒロインだ。大嫌いな姉の歩だって、結や米田家のみんなに明かすことのできない秘密を抱えていたのかもしれない。大いにあり得るだろう。 結という存在が中心にあることで、各キャラクターの個性やバックグラウンドが垣間見えてくる。これがいまの朝ドラ『おむすび』だ。 本作は結の幼なじみの古賀陽太(菅生新樹)や、偶然出会った四ツ木翔也(佐野勇斗)が野球部員であることも重要なポイントだと思う。野球は“チーム”というコミュニティがなければ成立しないし(いうまでもないが、試合をするにはふたつの“チーム”が必要になる)、この“チーム”はメンバー全員にとってかけがえのない居場所だ。一人ひとりの存在が、コミュニティ全体に影響を与える。 パラパラを踊りはじめた結は、“ハギャレン”にどのような影響を与えていくことになるのだろうか。
折田侑駿