【前編】“美しさ”のために“動物”を犠牲にしない。タイの国民的コスメブランド「シーチャン」に見る化粧品ブランドのあり方
日本では、コロナ禍にトランスルーセントパウダーが大ヒット。日本機能性コスメ研究所とシーチャンの2社で共同開発した、「ブライト&ブルーム 24 スキンケアパウダー」や「Bare(ベア)パーフェクト グローイング トランスルーセントパウダー」など日本市場向けに開発した商品も好調だ。
動物実験をせず、イノベーションを促進する
そんなシーチャンが創業当初から守り続ける方針が、「動物虐待をしない」クルエルティフリーであること。「美しさは動物福祉を犠牲にしてはいけない」という信念を核として、安全性と高品質に加え、社会や環境を思いやるブランドを貫いている。
なぜ動物実験をせずに安全で高品質な製品を作り続けられるのかとたずねると、以下の回答を得た。 「革新的な研究への多額な投資により、最先端の技術や国際規格に準拠した高度な試験方法を探索している。当社の研究チームは、多様な肌のタイプや色調を分析し、製品が幅広い顧客のニーズに沿うよう努めている。イノベーション、持続可能性、包括性を統合することで、従来の美の基準を超えた総合的なブランド体験を生み出している」(シーチャンの広報担当者)
クルエルティフリーの姿勢を表す目的で、水彩画家タケダヒロキ氏とのコラボデザインアイテムを2023年9月に発売した。動物と草花を融合させた水彩画で知られ、Instagramでは13万人以上のフォロワー、受注制作は2年待ちと勢いのあるアーティストだ。
こういった取り組みやインフルエンサーとのコラボなどを通して、動物実験をしないブランドの精神と革新的なアプローチを伝えているそうだ。 シーチャンでは動物実験の廃止推進に向けて、この限定アイテムの利益の10%をNPO法人 動物実験の廃止を求める会(JAVA)に寄付すると発表している。
取材・文:小林香織 /写真提供:日本機能性コスメ研究所 【取材協力】 日本機能性コスメ研究所 シーチャン