ドカベン像と並び立つGXAスカイホークスの長距離砲・木村（撮影・金子真仁）

　高校野球をしなかった高校生はプロになれるか－。神奈川・大和市の硬式クラブチーム「GXAスカイホークス」の木村翔平内野手（18）がプロ4球団の視察を受けていたことが8日、分かった。身長187センチ、体重97キロの右打者は、6日の巨人の入団テストでもドラフト指名候補リストに残った。24日のドラフト会議で吉報を待つ。 　高校3年生ながら日本高野連に所属するチームにいないため、プロ志望届の提出はない。中学卒業後、関東の強豪私立校に入学。1年春にAチームに抜てきされ熱心に練習を重ねたものの、一部の3年生との人間関係に悩んだ。「いろいろなものがたまって体調も崩して。同級生や他の先輩方も相談に乗ってくれたんですが」。自身で消化しきれず退学を決意。似た境遇の選手も多いスカイホークスを選んだ。 　学生で構成するチームで、特定の団体には加盟していない。公式戦はなく練習試合のみ。それでも「バックスクリーンにも当てます」という長打力は光り、三塁を守りながら主将として引っ張る姿も華がある。9月には西武の入団テストも受験。他の受験者と比べ「今は練習も足りていないですが、もっと練習すれば十分戦える」と手応えもあったという。プロ側からの右スラッガーの需要は多い。日本航空高の通信制で学び、人生経験を深めた2年半。今やもう、王道だけがプロ野球につながる道じゃない。【金子真仁】 　◆木村翔平（きむら・しょうへい）2006年（平18）7月4日生まれ、神奈川・相模原市出身。少年野球の上鶴間ブラックスでは通算55本塁打。中学は座間ボーイズに所属。高1秋からGXAスカイホークスでプレー。趣味はサイクリング。187センチ、97キロ。右投げ右打ち。