難民へ子供服届ける 三重・松阪の中部中2年 まず学習会、今後地域で回収へ
「ユニクロ」などのプロジェクトに参加
三重県松阪市立野町の市立中部中学校(後藤正和校長、611人)の2年生182人は18日午後1時半から同校体育館で、衣料品会社の㈱ファーストリテイリングが取り組む、着なくなった服を難民など服を必要とする人に届けるプロジェクトに参加するため、同社の社員から難民が生まれる仕組みや支援について出前授業を受けた。 このプロジェクト「届けよう、服の力」はカジュアル衣料品店「ユニクロ」「ジーユー」などを展開する同社が全国の小中高生を対象に、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)とともに取り組む参加型の学習。社員の出前授業を受けたのち、子供たちが主体となって校内や地域で着なくなった子供服を回収する。2013(平成25)年から昨年までに744校、約8万2千人の児童、生徒が参加している。 同校は総合学習の探究的学習の一環で、生徒が活動を通じて世界を感じ、自分たちも国際社会に貢献できることがあると知ってもらうため同プロジェクトに応募した。 この日は、難民が人権、宗教、国籍、政治的意見の違いなどから迫害を受けて故郷から逃れることを余儀なくされた人たちであることや、23(令和5)年にその数が約1億840万人に上り、難民キャンプで暮らす人の約4割が子供などの説明を受けた。 これを踏まえて今回は、赤ちゃんから子供(160センチ)までの衣類に限定して集めることを確認。引き続き映像で、集めた服がUNHCRを通して現地に届く流れや、実際に日本の女子高生が着ていたワンピースがアフリカのウガンダに送られ、現地の子供が着ている様子を見た。また、自分が難民として逃げることを想像し、持っていくものの優先順位などについても話し合った。 柘植凌久君は「(将来)世界で働きたい。大きい規模の取り組みを見ることで将来に生かすこともできるかも。難民の人たちは学業を受けられない、その分もサポートしていきたい」、小椋蒼澄さんは「困っている人たちに着なくなった服を届けて、少しでも幸せを感じてもらえるよう、しっかり集めていきたい」とそれぞれ話した。 集めた服は11月に現地へ送る。回収方法などは生徒で相談して決める。 来年1月には同社などから、服が現地の人の手に渡るまでをまとめたレポートが届くという。