政田夢乃が初の最終日最終組をゲット 仮想ランキングで“シード圏内”に浮上
<大王製紙エリエールレディス 3日目◇16日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6575ヤード・パー71> 政田夢乃が三ヶ島かなと“ヒソヒソ”ガールズトーク?【写真】 プロ1年目の政田夢乃が6バーディでボギーなしの「65」で回り、トータル15アンダーで2位の座を守り、来季のシード獲得に“王手”をかけた。 メルセデス・ランキング(以下MR)61位で、逆転シードには単独5位以上が絶対条件だが、初日を首位タイで滑り出し、2日目、3日目と2位をキープ。第3ラウンド終了時の仮想MRは44位となり、「すごくいい位置にいると思う。最終日もきょうみたいなプレーができたら」とほほ笑んだ。 同じ北海道出身でジュニア時代から親交のある2学年上の小祝さくらが、「夢乃ちゃんはリスとかウサギのような小動物みたい」と表現したことがある愛らしいルックス。人気も急上昇の24歳だが、見た目とは裏腹にゴルフは「基本ガツガツとピンを狙うタイプ」と攻めのスタイルを身上とする。6月の「リゾートトラストレディス」でのレギュラーツアーデビュー後も怖いモノなしのルーキーは、攻撃ゴルフを貫いてきた。 「最初の方はガツガツいって、それがうまくいっていました」。ツアーデビュー戦でいきなり8位に入って脚光を浴び、8月の「NEC軽井沢72」は初V目前の2位となった。だが、そのなかで学んだことがある。「いっぱい試合に出るうちに予選を通過して、たくさんのことを経験するうちに、少しガツガツさをなくそうと思った。狙うところは狙い、セーフティにいくところはセーフティに。そうしないとすぐにボギーを打つ。そういうところを学びました」。 今大会のコースは4月のステップ・アップ・ツアー「大王海運レディス」で経験済みだが、そのときは予選落ち。「ステップのときは例えば短いパー4の4番はドライバーでグリーン近くまで運ぶことを考えたけど、きょうは4番ユーティリティで刻んで、残り90ヤードをピン横3メートルにつけてパーでした」。パー72の設定だった大王海運は初日が「72」で2日目が「75」のトータル3オーバー。コースマネジメントの大切さを肌で覚えた7カ月後は「65」→「68」→「65」と完全攻略している。 「始まるまでは不安なコースだったので、この位置にいられるとは思ってもいなかった。きょうはドライバーショットが曲がって、2打目が難しいところに行ったけど、その分アプローチとパットでカバーできました」 ツアー20試合目で初となる最終日最終組に、この順位を守ることができれば、昨年のプロテスト合格者ではただ一人のシード獲得者となる。2年連続年間女王の山下美夢有、2017、19年賞金女王の鈴木愛と回る最終日。「お2人とも一緒に回るのは初めて。余計に緊張するかもしれないけど、ドライバーショットが修正できたらイケるんじゃないかな」。 5度目の挑戦でプロテストに合格した苦労人は歴代女王2人との初競演にも臆するところはない。「はい、結構負けず嫌いです」。シード争い最終戦の最後の18ホール。成長を実感するには最高の2人を相手に、あわよくば首位を走る山下との4打差もひっくり返すつもりだ。(文・臼杵孝志)