最大8千戸超が停電 各地で臨時充電所を開設 台風13号
強い台風13号は14日から15日にかけて鹿児島県の奄美地方に接近、通過した。これに伴い、奄美大島と喜界島では暴風による倒木などの影響で、14日午後7時すぎから各地で停電が発生し、九州電力送配電によると、15日午前0時ごろに停電戸数は計8180戸に達した。15日午後7時時点で、宇検村を除く奄美大島の4市町村1220戸で停電が続いている。瀬戸内町阿木名では停電の影響により、一時的に断水も生じた。 停電の発生に伴い、ポータブル電源や発電機を活用した臨時の携帯電話充電コーナーを開設した地域や自治体もあった。 瀬戸内町では14日午後8時すぎに停電が発生。住民の要望の声を受け、町は15日午前10時半ごろにPHEⅤ(プラグインハイブリット車)から給電したポータブル電源13台を役場ロビーに設置。携帯電話などの充電コーナーを設け、防災無線で住民に利用を呼び掛けた。
鳥越菜穂さん(37)=瀬久井西=は「14日の午後11時ごろから停電が続き、モバイル充電池の用意はあるが、復旧の見込みが分からず来庁した。5月に引っ越してきたばかりで、災害時に電源を確保できる場所があるのはありがたい。停電が続けば断水の恐れもあると放送していたので、早期復旧を願うばかり」と話した。 15日午前0時ごろから停電が続いた宇検村では、防災無線で各集落に設置されている発電機の活用を呼び掛けた。午後1時ごろ、芦検商店前で稼働する発電機の周りには、携帯の充電待ちをする住民の姿が多く見られた。知人らと雑談していた春田勝子さん(82)は「情報を知るにも携帯がいる。電気というのは本当にありがたい」と語った。 宇検村、瀬戸内町では15日早朝からKDDI、楽天モバイルの通信障害も発生。両社によると、午後5時現在、両町村の一部のエリアで同社の回線が利用できなかったり、利用しづらくなったりする状況が続いている。
奄美の南海日日新聞