12月22日から夜が一番長い『冬至』。心身の負担が大きく、不調が顕著に出やすいこの時期「絶対にしてはいけないこと」とは?二十四節気別<暮らし方><養生><旬のもの>
◆養生 「補陽益腎(ほようえきじん)」といって、陽気を補い、腎を守ることが冬至の養生のポイントになります。そのためには、とにかく身体を冷やさないこと。 前述のヒートショックも冷えが原因となりますので、とくに年配の方は、脱衣所に小さなヒーターを置いて点けておく、風呂のフタを外して湯気であらかじめ暖めておくなど、少しでも心臓への急激な負担を少なくすることが大切です。 また、シャワーでなく湯船に浸かる、素肌をさらさない、あるいは湯たんぽを使うのもおすすめ。 そして、意外な落とし穴は飲み物です。身体を温めようと温かい飲み物をたくさん飲んでも、最終的には身体の熱を奪い、尿となって出ていくことになります。 余分な水分は身体の中で「痰飲(たんいん)」という物質に変わります。痰飲の特徴は“冷やし、重い”。つまり、身体が冷えやすく、重くなります。温かい飲み物だからといって、飲みすぎにはご注意ください。 ましてや、飲み会で冷えたビールを何杯も飲むのはご法度。とはいえ、楽しむことも養生! たまの飲み会をこころから楽しむためにも、普段から丈夫なこころと身体を作っておくことこそが、養生の神髄だと言えるでしょう。
◆中医学的 冬至の旬のもの ・旬の料理 水餃子 中国では冬至を重んじ、この日に餃子を食べる風習があります。もともと餃子は、中国で“医者の神様”とされる、張仲景(ちょうちゅうけい)という人物が作った養生食。張仲景が寒さと飢えに苦しむ民衆に振る舞ったのが、餃子(中国では水餃子)でした。 羊肉や唐辛子などの冷えを解消する食材を用い、耳の形に似せた餃子は、耳が凍傷になった多くの人を癒やしたそうです。冬至には、餃子の“元祖”である水餃子を味わってみてはいかがでしょう? ・旬の食材1 羊肉 羊肉も中国では“冬の風物詩”としてよく食べられます。温性の羊肉は、身体を温めて栄養を補給してくれる、この時期の心強い味方です。 さらに羊肉は、ほかの肉類とくらべてL-カルニチンが豊富で、脂肪がつきにくいというなんともうれしい効果も持ち合わせているんですよ。 ・旬の食材2 かぼちゃ 日本で冬至といえば、かぼちゃですね。かぼちゃは身体を温め、消化器系の働きを良くするので、この時期にうってつけの食材。腎を養ってくれる黒ごま、潤い補給剤のはちみつとあわせた、大学芋ならぬ大学かぼちゃはいかが? ほくほく甘くて美味しいので、おやつにどうぞ。 ※本稿は、『二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。
櫻井大典,土居香桜里
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