「まち」「村」づくりで最高賞 静岡の創造舎 繁華街近接エリア開発など模範に 台湾の地方創生イベント海外部門
建築設計業のデザインオフィス創造舎(静岡市葵区)が市内2カ所で手がける地域開発プロジェクトが、台湾地域振興連盟が主催する「地域振興大賞」の海外部門で最高賞を受賞した。地域振興大賞は台湾政府が支援する民間最大級の地方創生イベントで、海外部門は本年度創設され、初代受賞となった。 受賞したのは、繁華街に近接する人宿町エリアで展開する「まちづくり」と、郊外の泉ケ谷エリアの「村づくり」の両事業。「場所、業界、人々を結び付ける起業家としての行為は他チームの指標や模範となり得る」と評価された。 人宿町は映画館の移転でにぎわいが減った商店街の再生に着手し、8年間に約100件の物件で新築やリノベーションを手がけた。個性的な飲食、美容、物販の店舗が軒を連ねるようになり、新たな文化やイベントを発信している。通行量は最大25%の増加を実現し、周辺は海外からも含め視察希望が相次ぐまでになった。 泉ケ谷では2021年から工芸施設「駿府の工房 匠宿」の運営を指定管理で開始した。施設集客のてこ入れとともに、古民家を生かした宿泊施設や和菓子屋の味を承継した店舗を開業するなど、周辺を一体的に開発する投資を積極的に重ねた。宿泊施設は高価格帯ながら首都圏客を中心に予約が埋まる盛況ぶりで、匠宿の来場者数も20年比で約3倍に伸長した。年明けには温浴施設をオープンさせる。 開発設計にとどまらず、自身の人脈で店舗誘致などを行いプロジェクトをけん引する山梨洋靖社長(46)は「大変光栄に思う。今後も国内外に静岡の魅力を発信していく」と話した。
静岡新聞社