英首相に批判噴出 ノルマンディー式典より優先させたのは「選挙」
第二次世界大戦中のノルマンディー上陸作戦から80周年となる6日の記念式典を途中退席したとして、スナク英首相は「間違っていた」と謝罪した。7月4日に迫った総選挙への対応を優先させたのが理由だが、退役軍人らからは「国のために命を落とした兵士の追悼より、選挙を優先させた」との批判が噴出。与党・保守党は支持率が低迷しており、英BBC放送は「選挙戦最大のしくじり」と報じた。 【写真】岸田首相にカープの靴下を見せて笑顔のスナク首相 作戦は1944年6月6日に実施。米英などの連合国軍がナチス・ドイツの圧政からフランスを解放するため、仏北西部ノルマンディーの海岸に上陸した。決行日は「Dデー」と呼ばれ、欧米では重要な記念日となっている。 仏北西部での式典にはバイデン米大統領、チャールズ英国王、マクロン仏大統領、野党・労働党のスターマー党首らが出席した。だがスナク氏は途中で英国に戻り、民放のインタビューに応じた。キャメロン英外相が代理で残った。 これに対し、作戦に参加した98歳の英退役軍人が「スナク氏は英国をおとしめた」と述べたほか、野党や保守党内からも批判の声が上がり、スナク氏は7日、X(ツイッター)に「私が間違っていた。謝罪したい」と投稿した。 BBCは、退席が「どれほど印象が悪いか」に誰も気付かなかった保守党陣営の政治センスの欠如を指摘。英メディアは「オウンゴール」「大惨事」などと伝えた。【ロンドン篠田航一】