「え、パナソニック辞めるの?」SVリーグ異例の移籍“セッター入れ替え”…34歳深津英臣がついに本音「しがみついてでもバレーボール選手で」
愛された男の凱旋だ。 10月26日、SVリーグ男子・大阪ブルテオンの本拠地パナソニックアリーナが最も温かな拍手で包まれたのは、彼の名がコールされた時だった。 【秘蔵写真】「え~めっちゃ若い!」20歳石川祐希に指示を送るセッター深津英臣…超貴重な星城高時代のハチマキ姿も見る!(他男子バレー写真も) ウルフドッグス名古屋、深津英臣(34歳)。 パリ五輪を沸かせた日本代表ではなく、“元”日本代表のセッターだ。 2013年から12シーズン在籍したパナソニックパンサーズ(現・大阪ブルテオン)を離れ、今年7月に名古屋へ移籍した。 “凱旋”は試合前から注目を集めた。大阪ブルテオンの公式Xでは、名古屋から入れ替わるように移籍加入した長身セッター、永露元稀(28歳)と並ぶ2人の写真を投稿。広報担当者からの粋な演出と、会場から送られた割れんばかりの拍手に右手を挙げて応えた深津は「感謝しかない」と感慨深い表情を浮かべた。 「嬉しかったですね。頑張ってきてよかった、と思った瞬間でした」
パナソニックでも日本代表でもキャプテン
1990年生まれのセッターは、学生時代から名を馳せてきた。星城高で3年時にはインターハイ優勝。正セッターで主将も務めた東海大でもリーグ戦や全日本インカレを制した。パナソニックに入団後に間もなくレギュラーの座をつかみ、Vリーグでは2017年から20年まで主将も務め、3度のリーグ優勝に貢献した。日本代表でも2013年の初選出以後、2015年から正セッターとして出場機会を重ね2017年には主将も務めている。 五輪出場こそ果たせずにいるが、紛れもなく日本を代表する選手の一人であり、“パナソニックパンサーズ”を象徴する選手でもあった。 おそらくいつか現役を終える時が来ても、深津はパナソニックで指導者として歩んでいくのだろう。そう思う人が大半だったはずだ。 パナソニックパンサーズのチーム名で戦う最後の大会となった黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会を終えた6月3日、深津の退団が発表された。企業が有するチームとして、会社に属する選手たちが戦うのがスタンダードとされてきたVリーグから、プロ化を視野に世界最高峰リーグを目指すSVリーグでは外国籍選手の枠も増え、チーム内でのポジション争いも激化する。プロ選手が増え、出場機会や好条件を求めれば移籍も活発になるのが当然の流れ。 加わる選手がいれば、出て行く選手もいる。これまでを見ればどれほどの功労者であろうと、深津も例外ではなかった。 だが決断した理由は決してネガティブなものではなかった、と深津が明かす。 「僕もずっと、パンサーズにいて、引退したらいずれは指導者で、と考えていました。だけど頭のどこかには(出身地の)愛知でやりたい、という思いもあったんです。でも昨シーズン、(パナソニックで)あれだけのメンツ、日本代表、アメリカ代表が揃っているのに優勝できなかった。来年こそは、という思いもありましたけど、自分の中で環境を変えたほうがいいのかもしれない、とも思った。今年は移籍する選手が多いというのも聞いていたので、いろんなタイミングが重なって、パナソニックを辞めて、プロになって移籍リストに載った時、ウルフドッグスから声をかけていただいたので、(移籍を)決断しました」 むしろ深津は、この機を「これからにつながるチャンス」と捉えていた。
【関連記事】
- 【秘蔵写真】「え~めっちゃ若い!」20歳石川祐希に指示を送るセッター深津英臣…超貴重な星城高時代のハチマキ姿も見る!(他男子バレー写真も)
- 【あわせて読みたい】なぜ関田誠大のトスは打ちやすい?「トリッキーにも見えるけど…」元日本代表・清水邦広が語る、味方だけがわかる天才セッターの“絶妙な匂わせ”
- 【男子バレー秘話】『ブラン監督、頭おかしくなったのかな?』男子バレー前監督が最後に明かした…石川祐希が“グー”を出した新技の秘話「世界が真似する発明になるかも」
- 【必読】「天才リベロが経験した2度目の落選」男子バレー小川智大(28歳)が初めて明かす、“号泣の夜”の真相「止まらなくて…自分でもびっくりした」
- 【人気記事】“ヤンチャ坊主”西田有志を育てた肝っ玉母ちゃんとマジメな父「タバコ吸いたいなら吸え」悪さしてもバレーボールだけは一生懸命だった