オフィス街で“女性客99%”だったランチ→新サービスはじめたら…男性にも人気に 行列店になったそのワケは?
ランチタイムにおにぎりのおかわり自由をスタートして、行列店になった大阪・本町にある、お米と甘味が主役の定食屋&カフェ「米と蜜」(大阪市中央区)。そんなサービスをはじめたオフィス街ならではの理由とは? 【写真】男性にも人気を集める人気店に ランチ時に人気だったおにぎりプレート(1200円)や、おにぎり玉手箱(1800円)がさらに注目を集め始めたのは、8月の頃。「おにぎり、おかわり自由」のサービスをスタートしたことを機に、2024年6月オープン時から、ほぼ99%が女性客だったのが一変。男性客が格段に増え、SNSでも話題になり、今や開店前から行列ができるように。 お米がテーマとあって、おにぎりへの思いもひとしおである同店。丹波の契約農家から届くコシヒカリを、米の旨みと香りが楽しめるように7分づきで、研究を重ねてたどり着いた浸水・蒸らし時間、さらには水の温度にまで細心の注意を払いガス火で炊き上げる。5種の塩をブレンドして作る塩にぎりに、専門店に別注した海苔を巻いて。1個100~110gが定食に2つ付いている上で、食べ放題とするのは、なかなかの太っ腹だ。 ■大阪のオフィス街だからこそのお店に 「お昼時の本町は女性1人の場合だとコンビニを利用する方が多い印象で、それでは量的にも、栄養的にも足りないのではないかと。そこで、近隣にはなかったおにぎり主体の和食カフェにたどり着きました。しかし、開店してから男性客にはうちのお店には来てもらえず。改めて界隈のお店を見ると、ほとんどのお店がおこなっていたのは『ご飯おかわり自由』のサービス。ガッツリ食べたい人には、当店では物足りないイメージがあるのかもしれないと、『おかわり自由』を始めました」と、オーナーの安井恭平さん。 その効果はてきめんで、男性客が列に並ぶようになったのだ。おかわりのおにぎりは1回につき、1~2個から選べ、携帯電話でおかわりオーダーできるのも魅力。気兼ねなくおかわりできるとあって、これまで男性で10個、女性で6個食べたのが最高記録だとか! おにぎりプレートには、豆皿に、肉じゃが、鶏そぼろのおから、だし巻き卵といった日替わり小鉢5品に塩にぎり2個がカゴに盛り付けられ、おにぎり玉手箱はガラスのフタ付き木箱に、日替わり小鉢5品に塩にぎり2個、魚主菜か肉主菜を選べるように。どちらも写真で撮ったときに、かわいらいのも魅力だ。カツオ節専門店にオリジナルでブレンドしてもらっている一番だしのみを使った惣菜と味噌汁もいただくと、おにぎりをおかわりせずとも充分のボリューム感だった。 ■うどんもスイーツも米粉を使用 そのほかにも人気なのが、四国の香川製麺所にオーダーしている米粉100%の「肉うどんとおにぎりのセット」(1078円)。オーガニック、グルテンフリーとあえて謳わず、「ヘルシーなイメージが過ぎると、男性客がオーダーしづらいかもしれないと思いまして…。小麦粉アレルギーの方にも食べてもらいたいです」と安井さん。こちらも、おにぎりのおかわりは自由だ。 「『米』のおいしさを認知していただけるようになったので、今後は甘いもの『蜜』の魅力も知っていただければ。この界隈は定食屋やレストランは多いのですが、お茶できるお店が少ないんです。ですので、ランチ後はカフェ営業に切り替え、甘味を提供しています」。 スイーツは大阪・天満橋の人気パティスリー「タワニコ」(大阪市中央区)が担当。米粉、餅粉をブレンドして作る「こめこのどらやき」(380円~)は、オーダーしてから銅板で1枚ずつ丁寧に焼き上げ、芦屋の和菓子店「杵屋」から届けられる餡をサンドし、りんごやレモンといったバリエーションが楽しめるのもポイントだ。 おにぎりやどらやきはテイクアウト販売あり。営業時間は11時~18時(ランチは15時まで、カフェは14時~)、どの時間帯も該当メニューが売り切れ次第終了。日曜休み。大阪メトロ御堂筋線の本町駅から徒歩約5分、淀屋橋駅から徒歩約8分。四つ橋線の本町駅から徒歩約8分。 取材・文・写真/いなだみほ