64歳・単身女性、年金〈月17万円〉でも「要介護や認知症になったら?やはり保険で備えるべきか」【お金のプロが回答】
年金暮らしのリスクは?60代前半・お一人様老後のケース
---------------------------------------------------- 【悩み】 もうすぐ年金暮らし。年金は月に17万円です。一人ですから、なんとか年金だけで生活できると思います。でも、介護が必要になったら、認知症になったら…と不安はつきません。ずっと働いてきたので、それなりに貯えはありますけれど、やはり保険で備えておくべきかしら。(64歳・女性、パート、一人暮らし) ---------------------------------------------------- 【回答】可能なら「年金の繰下げ受給」を。遺産分割でもめそうなら終身保険で対応 公的年金で暮らしていけることは、なによりの安心です。老後資金として貯めているお金は、旅行やレジャー、介護などに充てることができます。可能であれば、65歳からの年金受け取りの繰下げを検討しましょう。1年間繰り下げると年金額は年8.4%の増額になるので、受給額が増え、生活にもう少しゆとりが出ます。 老後は介護・認知症の問題を避けて通れません。一人暮らしだと、なおさら不安も募ります。 介護にかかるお金は、できれば貯蓄で備えるのがいちばんです。とはいえ、貯蓄に余裕がない場合は、民間の介護保険で備える方法もあります。 医療費については、さほど心配しなくても大丈夫です。所得が減るため、高額療養費の限度額も下がり、自己負担額は少なくなります。がんにかかるリスクは高まりますが、年金暮らしであれば、収入減のリスクは低いといえます。 なお、不動産など財産があり、もめる可能性がある場合は、相続対策として終身保険を利用するといいでしょう。 横川 由理 FPエージェンシー代表、CFP®、証券アナリスト、MBA(会計&ファイナンス)。お金の知識を広めることをライフワークとして、ファイナンシャル・プランニング技能士資格取得講座、マネー講座、執筆などを中心に幅広く活動している。 著書に『老後にいくら必要か?』『50歳からの資産防衛術』(すべて宝島社)、『大切な人を亡くしたあとのお金のこと手続きのこと』(河出書房新社)、『保険 こう選ぶのが正解! 2024-2025年版』(実務教育出版)、『知らないだけで損をしている! インフレってなに?』(自由国民社)など多数。 長尾 義弘 ファイナンシャルプランナー、AFP、日本年金学会会員。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。 著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)、『お金に困らなくなる黄金の法則』『最新版 保険はこの5つから選びなさい』『老後資金は貯めるな!』『私の老後 私の年金 このままで大丈夫なの? 教えてください。』(すべて河出書房新社)、『運用はいっさい無し!60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)、共著に『金持ち定年、貧乏定年』(実務教育出版)など多数。
長尾 義弘,横川 由理