生物の捕獲法、写真で四季の移ろい…長良川観察へ知識満載 名古屋女子大教授らガイド本出版
日本三大清流の一つに数えられる長良川の源流から河口までの観察を通し、豊かな自然と魅力を再認識するためのガイドブック「長良川学習-美しい長良川で自然を学ぶ」(岐阜新聞社刊)を小椋郁夫名古屋女子大教授(71)=岐阜市=らが出版した。家族や学校での野外学習に役立つだけでなく、うんちく満載の読み物としても楽しめる一冊に仕上がっている。 東海北陸道を利用して源流から166キロ先の河口までを1日でたどる観察会が教員や学生に好評だったため、子どもたちにも使ってもらえる案内書として、小中学校の理科教員時代の研究仲間で岐阜聖徳学園大参与の古田靖志さん(62)=同=、中部学院大非常勤講師の井上好章さん(68)=同=とともに書き上げた。 源流部の「本谷」と「叺(かます)谷」というほぼ同じ水量の谷に着目した「本流はどっち?」や、河原に転がる野球ボールのような石を通して種類や特徴を学ぶ「まん丸石を探せ」、水生生物の隠れがや捕まえ方を記した「ガサガサで生物を調べよう」など観察のポイントと手法を網羅。各項目の「観察ノート」のページに書き込み欄を設けており、「観察して書き込んだことが使う人の宝物になれば」(井上さん)と期待する。 最終章の「自然観察編」を担当した小椋さんは、上流から下流まで桜のある風景の四季の移ろい、増水時と平水時の川の表情の違いを比較した写真で観察の世界へといざなう。「都市の真ん中を流れながら、いろいろな魚が捕れて鵜飼や水浴びもできるのが長良川。行く先々でページを開いて観察に役立ててほしい」と話している。 B5判、132ページで、2千円。全国の書店や岐阜新聞販売店で注文できる。問い合わせは岐阜新聞社読者局出版室、電話058(264)1620。
岐阜新聞社