「エゴを出すことでチームを助けられるのなら」安永玲央の千金弾で4位確定。山雅が5連勝フィニッシュの勢いでJ2プレーオフに挑む
「今日は0-0の勝点1ではダメだ」
2024年J3の最終節。すでに大宮アルディージャとFC今治のJ2自動昇格が決定し、残された注目点はJ2昇格プレーオフに進む3~6位の順位決定の行方だった。 【画像】サポーターが創り出す圧巻の光景で選手を後押し!Jリーグコレオグラフィー特集! 11月16日のFC琉球戦で勝利した4位の松本山雅FCはプレーオフ圏内を確定させたが、4位を死守できなければ、本拠地サンプロアルウィンで初戦を戦うことはできない。24日のアスルクラロ沼津戦は、その権利を賭けた重要な一戦となった。 霜田正浩監督は10月26日のY.S.C.C.横浜戦から導入した3-4-2-1システムを継続。メンバーも前節と全く同じだった。彼らはここまで4連勝の勢いをそのままぶつけたかったが、伊東輝悦、染矢一樹の両ベテランの現役ラストマッチというモチベーションのある沼津は、開始からギアを一気にアップ。本来のパスサッカーを展開し、山雅は受ける形になる。前半はプレスがハマらず、シュート数も6対2。かなりの劣勢を強いられた。 「沼津は本当にボール回しがうまいので、やらせていいところとやらせてはいけないところを整理し、0-0で折り返せればOKだと思っていた」と指揮官は忍耐を強調する。前半は本当にそれだけで精一杯だったが、守り切ることに舵を切った山雅守備陣は崩れなかった。 「ゴール前の強度は前期よりすごく上がりました。身体を最後に投げ出す部分も増えたし、寄せやシュートブロックも一歩押せるようになった。(高橋)祥平さんと宮部(大己)と連係を取り合いながらしっかりマークにつけていますし、それを継続できていると思います」と野々村鷹人も言う。それが最近の失点減の大きな要因なのだろう。 迎えた後半。少し主導権を握り返したが、依然として沼津に押される時間帯も少なくなかった。霜田監督は中村仁郎、浅川隼人、山口一真といったカードを次々と切るが、相手を攻め切るには至らない。 この段階で福島ユナイテッドFCがいわてグルージャ盛岡を相手にリードしていたため、このままいくと山雅は5位に転落。プレーオフ初戦がアウェーになってしまう。となれば、移動負担はもちろん、ホームの大サポーターの声援を力にできなくなる。「今日は0-0の勝点1ではダメだ」と指揮官は最後まで貪欲に白星を狙おうとしたという。 そこで後半ロスタイムに大仕事をしてみせたのが、ボランチの安永玲央だ。後方の山本康裕から縦パスを受けた瞬間、「前を向け」というメッセージを受け取った背番号46はペナルティエリア外側で反転して右足を振り抜いた。これが見事にネットを揺らし、山雅は辛くも1-0で勝ち切ることができた。 安永は昨季途中に霜田監督から直々に呼ばれ、水戸ホーリーホックからレンタルで加入し、今季は完全移籍。ボランチの主軸を担うと期待されていたが、シーズン途中の米原秀亮の台頭もあって出番が減っていた。ラスト5連勝でも最初の2試合はベンチスタート。11月9日の岩手戦から先発復帰したが、自分らしさを出し切れていないと感じていたようだ。 「今季はチームのバランスを見て、自分のエゴを押し殺しながらプレーしていた時もありました。でも自分がサッカー選手として生き残っていくために特徴を忘れちゃいけない。エゴを出すことでチームを助けられるのなら、それはそれでいいんじゃないかと思ったんです」と殊勲の決勝弾を挙げた本人も言う。
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