フェラーリ新型「12チリンドリ」はベルリネッタが5674万円、スパイダーは6241万円から! 自然吸気V12エンジンで勝負
温故知新のスタイリング
ほとんどの日本人にとってはこの日が初のお目見えとなった「ドーディチ チリンドリ」だが、プレゼンテーション会場での第一印象はかなり好評であるかに映った。 いわく、「1950~1960年代の伝説的グランドツアラーから着想を得ながら、エレガンスとスポーティさを表現した」とのこと。ボディサイズは全長4733mm×全幅2176mm×全高1292mmと発表されている。 近年の通例にしたがって、デザインワークは社内の「チェントロスティーレ」で行ったエクステリアは、フェラーリのV12 FRベルリネッタが長年継承してきた、ロングノーズ&ショートデッキのフォルムとするとともに、リアフェンダーの筋肉質な膨らみやノーズのデザインにも、フェラーリ歴代の名車の面影が見てとれる。 ただそのかたわら、「デルタウイングシェイプ」と呼ばれる、ルーフとリアウインドウのブラックアウトした意匠を反復されるデザイン処理などには、斬新な個性が表現されているといえよう。 ところで、今回の「Ferrari 12Cilindri Japan Premiere」に展示されたのは、ベルリネッタ版1台のみだったが、ドーディチ チリンドリにはオープントップ版の「ドーディチ チリンドリ スパイダー」もラインアップされる。 パワートレインなどのスペックやボディサイズはベルリネッタから不変ながら、車両重量(本国データ)はベルリネッタの1560kgから60kgアップに相当する1620kgに増量することから、最高速度は340km/hと不変でも、0-100km/h加速はほんの少しだけ遅い、2.95秒と公表されている。
ベルリネッタは5674万円から
また、今回のプレゼンテーションおよびプレスリリース内でも触れられてはいないものの、会場に居合わせたフェラーリ・ジャパン関係者にそれとなく尋ねてみたところ、ドーディチ チリンドリの生産開始はグローバルでおそらく今年末、スパイダーは2025年春になる予定とのことで、当然ながら日本への導入は、それぞれのデリバリー開始よりもさらに先のこととなる。 したがって、日本市場における車両販売価格は現時点では暫定のものながら、ベルリネッタ版のプライスは、オプション抜きのベーシック仕様でベルリネッタが5674万円、スパイダーは6241万円(ともに消費税込)を予定しているとのことである。 いずれにしても、再びドーディチ チリンドリと相まみえる機会が得られるのは、来年以降のこと。これまでの12気筒フェラーリでも前例がなかったほどにこだわったというV12サウンドをともなって、フェラーリの新生フラッグシップが日本の路上に降臨する日が、今から待ち遠しいものだ。
武田公実(TAKEDA Hiromi)