『スオミの話をしよう』に瀬戸康史×宮澤エマ×戸塚純貴が出演 長澤まさみが踊る新予告も
9月13日に公開される長澤まさみ主演映画『スオミの話をしよう』の新キャストとして、瀬戸康史、宮澤エマ、戸塚純貴の出演が発表され、あわせて新予告とポスタービジュアルが公開された。 【写真】長澤まさみらオールキャスト登場のポスター 興行収入36.4億円を記録した中井貴一主演映画『記憶にございません!』以来5年ぶり、9作目の三谷幸喜の映画監督作品となる本作は、長澤演じる大富豪の妻・スオミの失踪を巡るミステリーコメディ。 その日、刑事が訪れたのは著名な詩人の豪邸。スオミが昨日から行方不明だという。スオミとは詩人の妻で、そして刑事の元妻。刑事は、すぐに正式な捜査を開始すべきだと主張するが詩人は「大ごとにするな」と言って聞かない。やがて屋敷に続々と集まってくる、スオミの過去を知る男たち。誰が一番スオミを愛していたのか。誰が一番スオミに愛されていたのか。スオミの安否そっちのけで、男たちは熱く語り合う。だが不思議なことに、彼らの思い出の中のスオミは、見た目も、性格も、まるで別人。スオミはどこへ消えたのか。スオミとは一体、何者なのか……。 行方不明となった大富豪の妻・スオミを長澤まさみが演じるほか、スオミの失踪を知り、夫が住む豪邸に集結するスオミを愛した5人の男たち役として、血の気の多い庭師・魚山役で遠藤憲一、怪しげなYouTuber・十勝役で松坂桃李、情に厚い警察官・宇賀神役で小林隆、かなり神経質な刑事・草野役で西島秀俊、現在の夫で身勝手な芸術家・寒川役で坂東彌十郎が出演する。 新たに発表された瀬戸、宮澤、戸塚が演じるのは、物語のカギを握る3人のキーパーソン。スオミの4番目の夫・警察官である草野(西島秀俊)の有能な部下・小磯杜夫役を、三谷幸喜脚本のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』をはじめ、『23階の笑い』『笑の大学』など、近年の三谷演出の舞台作品にも欠かせない存在となった瀬戸が演じる。 ある時は、スオミのママ友、ある時はインテリアコーディネーターの女としてスオミの行く先々に現れる神出鬼没な女・薊役を演じるのは、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で主人公・北条義時の妹・実衣を演じ、映画『記憶にございません』、ドラマ『誰かが、見ている』、舞台『日本の歴史』や『オデッサ』など、数多くの三谷作品で存在感を放つ宮澤。 スオミの現在の夫である寒川(坂東彌十郎)の世話係・乙骨直虎役には、三谷監督が脚本を手掛ける舞台『ヴァンプ・ショウ』の再々演の際に、三谷監督の目に留まり、“若手で僕が今一番注目している方”と言われるほどの期待とラブコールを受ける戸塚が決定。戸塚は本作が三谷演出作品初参加となる。 公開された新予告は、オールスターキャストが、歌い、踊り、魅了するミュージカルシーンを交えたもの。「①おっさん、②二枚目、③おっさん……」と歴代夫の順番の法則を見つけたかと思えば、スオミ(長澤まさみ)を自分の手で助けたい一心で、犯人からと思しき電話を誰が取るか争う夫たち。それぞれの夫とスオミとの思い出が次々とよみがえるが、思い出されるスオミはまるで別人。 ミュージカルシーンでは、スパンコール煌めくドレスと、サングラスとブラックタキシードに身を包んだ、オールスターキャストの姿が。三谷監督が「最後まで楽しい映画にしたい」と発案し、メインキャスト全員が歌って踊る豪華なミュージカルシーンが完成したという。スオミ役の長澤をメインボーカルとして、キャスト全員で歌うミュージカルナンバーのタイトルは「ヘルシンキ」。作詞はもちろん三谷監督自ら手掛け、『ザ・マジックアワー』以降すべての三谷映画の音楽を手掛けてきた荻野清子が作曲を担当している。 ポスタービジュアルでは、ドレスアップした男たちと薊(宮澤エマ)の後ろに、絵画のようなスオミの姿が切り取られている。そんな本ポスターは、写真家・操上和美による撮り下ろし。三谷監督と操上の縁でコラボレーションが実現した。 瀬戸康史(小磯杜夫役)コメント 舞台では何度も三谷作品に出演させていただいていますが、映像作品は初めてでした。 今回の作品は殆どのシーンを長回しで撮影するというやり方で、ほど良い緊張感と三谷さんの脚本の可笑しさ、演者の皆さんの面白さに笑いを堪えながらの撮影でした。 最初台本を読んだ時、僕が演じた小磯はとても難しい立ち位置にいる役だと感じましたが、三谷さんの演出が入ると自然とカラダが動くというか、いつものように三谷さんに良い意味で遊ばれ、そんな不安も自然と消えていきました。そして試写会では内容を知っていても大爆笑してしまいましたね。 是非多くの方にご覧いただきたいです。 宮澤エマ(薊役)コメント 私は三谷さん作・監督の『記憶にございません!』が初三谷作品、初映画出演でしたので 当時は緊張やプレッシャーと戦いながら毎日撮影に挑んでいました。 その後、舞台や映像作品で三谷組に参加させて頂く機会も増え、今回の『スオミの話をしよう』は以前よりは落ち着いて撮影に臨めるかと思いきや、今までのどの作品よりも乗り越えるハードルが多く、現場で頂く演出にやはり、悩み続ける日々でした。 三谷さんのアイデアはどこから浮かんでくるのか分かりませんが、絶対に応えたい!という気持ちのもと、スタッフ、キャストが一丸となり本当に笑いの絶えない現場でした! 私は今回謎多き女性、薊を演じています。 唯一無二の三谷ワールドをのびのびと生きる薊を楽しんで観て頂ければ幸いです。 戸塚純貴(乙骨直虎役)コメント スオミというワードは人生で初めて聞きましたので調べたら自分の好きな事がたくさん当てはまる憧れの国でした。 撮影に入った当初は、大好きで尊敬している方の作品だからこそ、その方の作品に出た人ってだけでは終わりたくない、せっかくいただいたこの貴重な機会、自分にしかできない表現を全て出そう、と決めていました。 長澤まさみさんの現場での気遣いはいつにも増してありがたく、大先輩方の胸をお借りして気負わず自由に演じさせていただきました。 演出という武器を使って真剣にみんなを笑わせにかかってくる三谷さん、同じ目線でいてくださり、話しやすい環境を作ってくださる三谷さん、現場で台本が急に変わったりする三谷さん。台本にない要求を耳元で囁く三谷さん。恋愛ドラマでもなく、バイオレンスアクションでもなく、ミステリーでもシリアスでもなく、混沌ではなく、「三谷幸喜」というジャンル。 撮影ではお互いのお芝居に笑わずにはいられない、素晴らしいキャストと最高のスタッフが集結した「スオミの話をしよう」を僕自身も映画館で観るのを楽しみにしていますし、たくさんの方に観ていただきたい映画です。 三谷幸喜(監督/脚本)コメント ・ミュージカルシーンに関して 今作は一度原点に戻って、思い切り演劇的な映画を作ってみよう、限りなくワンシチュエーションに近いセリフ劇をやりたいと思ったところが出発点です。全体が舞台劇に近い作りなので、エンディングはカーテンコールという意味で、出演者が歌って踊るかつてのMGMミュージカル風の形式にしたいと思いました。クランクイン一ヶ月以上前から、長澤さんには歌稽古とダンスの特訓。その他のキャスト陣も時間が許す限り、稽古を重ねました。踊っている姿がイメージできない西島さんや松坂さん、遠藤さんや彌十郎さんが必死に踊りの稽古をしている姿は、それだけで感動的で、本当に申し訳ないけれどそれだけで笑ってしまうんです。長澤さんの圧巻のパフォーマンスとキャストそれぞれの個性が輝くダンスで、ミュージカルシーンは間違いなく今作の注目シーンとなりました。多幸感溢れるきらびやかなシーンを、ぜひ映画館の大スクリーンでご覧頂きたいです。 ・瀬戸康史、宮澤エマ、戸塚純貴の起用について 瀬戸さんとエマさんは、今、僕の作品のテイスト、テンポ感を一番分かってくれている俳優さん。二人がいることで、他の俳優さんたちも“こんな風にやればいいんだ”ということが伝わったと思うので、僕にとっては、貴重な存在のお二人です。戸塚さんにお願いした乙骨役は、実は最後までなかなか決まらなかった役です。そんな時、僕が30年近く前に脚本を書いた『ヴァンプ・ショウ』(1992年初演/2022年再々演)という舞台の再々演を見に行ったら、当時古田新太さんがやられていた役を戸塚さんが演じられていて、それが素晴らしかったんです。この人はなんて面白いんだ!と思い、そこからすぐにお願いしました。スオミとスオミを愛する5人の夫、そして彼らを取り巻くこの3人の絶妙な掛け合いは必見です!
リアルサウンド編集部