救急車呼ぶと有料に? 入院に至らないと「7700円」かかることに 三重・松阪市【#みんなのギモン】
■なぜ有料に? 松阪市の救急車の出動件数が過去最多に…
では、なぜ有料にするのでしょうか。 松阪市によると、目的は、医師・看護師らの負担の軽減、救急医療体制の維持のためだといいます。 松阪市では、2023年、救急車の出動件数が過去最多の1万6180件となりました。これは、20年前の2倍以上です。危機感を募らせた市は2022年、今回対象となった3つの基幹病院に実態調査をしました。 それによると、平日の昼間に救急搬送された患者のうち入院した人は50.6%。さらに休日・夜間では37.1%だったことがわかりました。つまり、軽症者の利用が目立ったといいます。 そこで「このままでは限界を迎える」「助かるはずの命が助からない」ということで、今回の判断に至ったということです。 しかし、7700円がかかると思うと、本当に必要な場合もためらってしまうかもしれません。それでも市としては「まずは入院を基準にやっていくしかない」とし、その上でケースによっては「細かい対応も必要になってくると考えている」と話していました。
■海外では有料…救急車要請
実は海外では、救急車が有料のところが多く、たとえば中国の北京では約1000円(50元)です。搬送中の医療行為や距離に応じて追加料金がかかります。 アメリカのニューヨークでは日本円で約20万円(1385ドル)。こちらも搬送距離に応じて追加料金が発生するというものです。 イギリスのロンドンは無料ですが、たびたび救急がひっ迫するということで、よく考えてから呼んでほしいと注意を呼びかけています。
■東京でも…救急医療がひっ迫
実際、東京でも救急医療はひっ迫しています。 東京消防庁によると、2022年の救急隊の出動件数は87万件以上でした。このうち半数以上にあたる53.4%は、入院の必要がない軽症者でした。 では、救急車の出動が多いとどうなるのでしょうか。 救急車の到着にかかる時間に影響があります。出動件数がおよそ75万件だった2013年は7分54秒。これに比べて2022年は9分43秒と、2分近く到着が遅くなっています。